教えて、愛を。








 ……Please love me seriously.








 いつ、棄てられたのか。

 いつから、からだを売るようになったのか。


 過去には、興味がない。

 未来なんて、どうでもいい。


 現在(イマ)でさえも。




 生きているのかが、わからない。




 死んだって、意味がない。


 なにひとつ、として。



 生きながらにして死んでいるなら、消えてしまっても変わらない。



 なのに、なぜ、生まれた?











 「ん………ぁ…っ……………」
 薄明かりが照らしだすベッドのうえ、首は鎖で繋がれ、激しく突かれている男がいる。
 突き上げるたび、ベッドはギシギシと軋み揺れた。


 「あっ……あぁ…ん…………」
 乱れきった髪がまとわりつく首には、まるで飼い犬のように、首輪がはめられており。

 「ああ、咲、おまえを抱いてると、女とセックスしているようだ。」
 突き上げる男は、汗ばんだ顔をうっとりさせて、ベッドに繋がれ淫れきっている咲へ囁きかけた。

 「こんなに、痩せて、華奢なおまえのからだは、ほんとうにキレイだね。」
 そして、両手でからだを愛撫する。



 「……るせぇ、とっと…と……だして………はやく……終われ……………」
 擦り切れた息を吐いて、くるしげに咲は告げた。


 「そうも、いかないよ。」
 男は、ピストンを速める。

 「ああぁ…っ…………」
 押し上げられた咲は、シーツをきつく掴んでからだを激しく反らせた。


 その乳首を擦りながら、
 「おまえは、一番キレイで値段もいいのに、誰にも媚びを売らないね?」
 笑って、男は動きつづける。

 「あ……あぁん…っ………」
 言葉には反応せず、咲は喘ぎを零した。


 「ベッドでは、こんなに乱れるのに。おまえはどうして、だれも信じない?愛さない?」
 笑いを浮かべる男は、腰を激しく動かしながら、咲の胸元を撫で回す。



 「ん……………いい…………なにも……いらねぇ………………」
 深く息をあげる咲は、途切れ途切れに言う。

 「どうしてだい?」
 問いかける男は、乳首をきつく摘んで、こねくり回した。


 「はぁ…っ…ん……………」
 せつなくからだを、捩って。



 「べつに………生まれて……こなくて…も…………よかった………………」
 咲も激しく腰を動かしながら、吐息とともに吐き出す。


 「あるの、は…………あ…っ……………からだ……だけ………………」
 ここまで、ひどく途切れ途切れだが咲は確かに述べた。

 「おまえほど淫乱な男を、わたしはほかに知らない………、」
 男は、かがみ込んで顔を近づけて、

 「わたしのもとへ、来ないか?」

 深く、咲にくちづけた。


 「ふ…っ…………」
 キスに応える咲は、くちを開けて積極的に舌を伸ばす。


 くちびるから吐息と唾液を出し、狂ったようにふたりは腰を振りつづけた。



 「はぁ…っ…………はぁっ………………」
 荒々しく、互いに息をあげて。



 「ぁああっん…………!」

 ビクンとわななき、咲は男よりさきにイった。



 プッ――――…

 ぐったりした彼から抜くと、

 「んっ…………」

 からだをずらした男は、咲に、そそり屹つソレを咥えさせる。


 「ん……んん…っ…………」
 吸い上げながら、舌をうまく動かす咲のあたまを掴んで、

 「イイなぁ、おまえのフェラは。」

 男はうっとりとした。


 「金なら、いくらでも払う。おまえがほしい。」


 咥え込んだ男のソレを、喰いちぎりたい衝動に駆られ、




 …――所詮、コイツも、ほしいのはカラダだけ。



 痛いほどにわかる咲は、ただ、無感情に精液を飲み干した。

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