Affair.2『調教開始?』








 「んー、なっちゃん、気持ちよかったねえ?」
 先ほどまでの妖艶な姿は幻だったのではないかと思えるほどの無邪気さで、夏を抱き締めた奏多はそのくちびるにむちゅっとキスをした。
 子犬が飼い主にじゃれつくようなキスだった。


 (はっ!あたしの口まだ先輩の、せ…っ、せーえきで濡れ…っ)
 行為について改めて思い出せた夏は、赤面してくちびるを拭う。



 そして、ふと、

 「でも、俺のまだ全然おさまんない……」
 「え…?」
 抱き締めていた夏を放すと、奏多は彼女の目の前で脚を開き、

 「一人でするから、見ててください…」

 まだまだ元気なそれを右手で、シャツの中に忍ばせた左手で胸を擦り始めた。

 「あ…っ、あ……」








 夏は再び目が点。
 というよりむしろ、凝視してしまっている。

 「ん…っ、はは…っ、視姦…楽しい……」
 吐息を漏らすくちびるのあいだ、ちらちらと舌を見せる奏多の目は、やはりどう考えても据わっている。

 「はぁ…っ、あ…っ」
 彼はまた妖しく笑って、熱く濡れた吐息を漏らす。
 同時にそこも、手も、熱く濡れてゆく。

 グチュグチュッ――…

 夏は本日、初めて男の子のオナニーも目の当たりにしてしまった。




 「もう帰る…!」
 「だーめ、さいごまで見ててくんないと」
 「濡れた手で腕を掴むなーっ!」








 どっちが調教されているのか。
 飼い主はどちらか。













 ―つづく―

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