第八手:御所車











 淫猥な湿り気を帯びたベッドは、波を打ち乱れきっている。


 ズプッッ――――…

 「はっ……っんんんっっ、」

 導かれるままにして彼のモノを咥え込んだナナは、あまりの気持ちよさにふるえた。
 仰向けになった彼の上に横向きになって乗っかっているため、いつもとは違った感じで擦れちゃいます。
 おまけに、その快感を貪り腰が砕けそうになりながらも、ナナは自分から腰を動かさなければならない。

 「はやく動けよ、」
 意地悪く笑って言い聞かせた薔は、さりげなく、彼女の支えになるよう片膝を立ててくれている。

 「ん…っ、あ…っ、」
 ナナも自然と彼の膝に掴まって、片手も取って支えてもらいながら上下に動き始めた。

 ズプッ…ズプッ…

 「あ…っあっあ…っ、は…あっん、」

 積極的に腰を上げて落とし、夢中になって繰り返し、何度も奥へと当たるようにしている。
 中が擦れあう快感でもますます濡れて、淫らな音の響きは大きくなる。
 同時に、息づかいも嬌声も。



 「おまえん中に俺の…何度も出たり入ったりしてんな?」
 彼女と繋いだ手にふと強くゆびを絡めて、薔は乱れてゆく吐息と共に言葉にする。

 「ああ…っあっあ、っん、」
 自分にはその様は見えていないのに、彼には見えているのだと思うとナナは羞恥に昂りひどく興奮した。
 見えてはいないけれど、躰ではおかしくなりそうなくらいに感じているのだから。

 キュウウウッ――…

 蕩けそうなまでに濡れた中は、まるで必死になって彼の自身に縋るみたいに激しく収縮する。


 「……っ、く…っ、」
 一気に締めつけられた薔は、思わずふるえるとちょっと強引に彼女の手を引っ張った。

 「あ…っっ、らめぇ…っ!」

 いきなり激しく深奥へと当てられたナナは、戦慄き、堪らずに絶頂を得る。

 「あっっ!」

 ビクッ…!ビクンッ――…!




 イく瞬間、彼女もきつく彼の手を握り返していた。



 「……っ!」
 ほぼ同時に、薔も彼女の奥深くへ目掛けて射精をしたのだった。

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