第七手:首引恋慕

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　｢んや…っ、……薔ぅ…っ、｣
　注がれふるえながら慌てて、縄を引っ張ってしまったナナは泣き濡れ彼へとしがみついた。


　｢おまえってほんと、優しいな？｣
　抱き返して、彼女の背中を撫でて腰を振り、

　｢まだまだ気持ちよくしてやるよ…｣

　薔は耳もとで囁き、最奥へと当てて中を擦る。
　気持ちよくされてしまえば、ますます躰は激しく動くというのに。
　ただなめらかに合わせるように腰を動かしていたいのだけど、攻められて、ままならない。



　パンパンｯ――――…

　｢あああ…っあ、あ…っ、｣
　さらにつよくナナは、彼へとしがみつき、

　｢つうか、縄よりおまえの腕に絞められちまいそうだぞ？｣
　薔は耳にキスをするみたいに、熱く乱れた吐息で触れて、笑った。
　ふたりぶんは攪拌されて、溢れて淫らな音を聞かせている。


　｢あ…っ、ごめっ…なさっ……｣
　ナナはすぐに、腕の力をできるだけ緩めようとしたのだけど、

　ぎゅっ…

　その腕を掴み、薔はそうすることを決して赦しはしなかった。

　｢いいよ…遠慮すんな、｣





　｢おまえの腕なら…触れただけで、愛しすぎて苦しくなんだから…｣











　｢…――――――っあっっ…｣
　あまりにも切ない激情に突き上げられて、ナナはまたしても絶頂を得た。

　｢あああっっ！｣

　ビクｯ…！ビクンｯ――…！



　イキながらも今度はしかと、彼にしがみついていた。
　縄よりも確かだけれど、目には見えない、離れることのできない鎖が心へと食い込んだ。

　｢……っ、く…っ、｣
　収縮に堪えた薔は、彼女がイっている間も容赦なく奥を突き上げる。

　｢あ…っ、あ…っはあ…っ、｣
　息を荒げ、一心不乱にナナは彼へとしがみついている。
　結ばれた縄にはたるみができているのに、こんなにもくるしいのは互いのせいだ。
　愛しているからだ。




　乱れた息づかいが、重なりあっていた。

　｢ナナ……｣
　髪をしなやかに撫で、そのくちびるへとくちびるを寄せると、

　｢おまえの反応が可愛すぎるから、激しくしたくなるんだよ…｣

　やさしく微笑み、薔は動きを緩めると甘く吹き掛けてきた。

　｢でも…少しゆっくり動くか、｣







　｢あ…っ、あっ……｣
　なめらかな動きで、艶かしくふたりの腰が合わさっていた。
　｢痛くねぇか？ここ…｣
　彼は確かめながら、抱きしめて、そっと何度も首筋にキスをしてくれる。

　｢ん…っ、｣
　ナナは一所懸命に、ぎゅっと抱きついて頷き、

　｢良かった……｣

　吐息のように笑った薔は、少しだけつよく一気に突き上げた。


　｢あっっ…あ……｣
　ナナの嬌声は、軋み揺れるベッドのうえでさらに上擦ってゆく。











　…――――やさしい囁きも、あたたかな吐息も何もかも。

　縛って離さない、離れることはできない。














　　…――Next time is Goshoguruma！

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