愛液テディベア







 潮がまたぬいぐるみへと染み込んでゆく。
 膨らんだクリトリスは濡れすぎた生地と擦れあい、乳首もじんじんと熱く起ってテディベアと擦れあっていた。

「ねえ」
 陽斗が、ゆびを抜いてゆく。
 もっともっと心行くまで弄られていたい私は、彼のゆびを懸命に締めつける。

 ヌポッ――――…

「あ…っん」
 けれどそんな抵抗も空しく、ゆびは抜かれてしまった。
 きっと、とろとろと溢れだす愛液がますますぬいぐるみを濡らしていることだろう。
 私は気持ちよさとじれったい心持ちで、何の罪もないぬいぐるみを睨みつける。
 無論、この視線は彼に向けるべきものだ、しがみつかれているテディベアはもとから青いのだけど心なしかさらに青みを増したように見える。

 くぱっ……と私の入り口をゆびで拡げて、陽斗は提案してきた。

「いっそこの中にもぬいぐるみ、入れてみたら?」








「ええっ!?」
 驚きのあまり私が声を上げ、抱きしめる力を緩めてしまった隙にぬいぐるみは半ば無理矢理取り上げられた。
「いっつも葵が抱きついてんのはぬいぐるみだからさ……俺じつはかなり妬いてんだよ、今まで内緒にしてきたけど」
 と、笑って見せた陽斗は、どう考えてもかなり不機嫌だった。

「そんなに好きなら一度、中に入れてみればいいじゃん?」
 言い方に、棘がある。



「だって……今まで、入れたことなんて……ないし……」
 意識して脚を閉じた私はそれでも、内心興味津々ではあった。
 それ以前に、ぬいぐるみにヤキモチ妬いてたなんて……彼が可愛くて嬉しくて有頂天になってしまいそうだった。

「大丈夫だよ、綿だから萎むし……ほら、脚開いてよ」
 目の前で、テディベアの脚をぎゅうっと握って見せた彼は、私の太股をゆっくりと撫でた。
 握られたぬいぐるみの脚からは、愛液がじわりと滲み出る。
 テディベアは、私の蜜で腹部の辺りから脚までをびっしょりと濡らしていた。



「……っん」
 ぞくぞくして観念した私は、彼の目の前でおもむろに脚を開く。

「“もっともっと開いてくれないと、僕の脚入らないよ?”」
 口元まで濡れたテディベアを抱き上げて、陽斗は悪戯に私を促す。





 ムッとなった私は本当は笑いを堪えていた。
 M字に開かれた脚に自分のゆびが食い込んで、中はひくひくとふるえてしまっている。

「指で拡げて見せないの?」
 テディベアはいつでも中に脚を入れられる位置で待機をしているため、今度は彼は彼として妖しく促してくる。


「……しょうがないなあ……」
 不本意を装いながらも興奮する躰は火照る。
 私は入り口までゆびを滑らせると、両側から思い切り拡げて見せた。

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