愛液テディベア











 薄明かりが照らし出すベッドのうえ、重なる影は三つ。
 彼と、私と、もう一つは大きなテディベアのぬいぐるみだ。

 グチュッ、グチュッ…

 彼のゆびでかき出される愛液は止め処なく淫音を響かせて、私がぎゅっと抱きついているぬいぐるみをたくさん濡らしてゆく。


「あ…っあっ、も…っ、やだあ…っ」
 私は甘ったるい声を上げる。
 本当は、さっきまでたっぷり弄られていた胸もぬいぐるみと擦れているから気持ちがよすぎて仕方なくなっている。
 今までに色んな類のぬいぐるみをセックスの最中に使用してきた、使った後のぬいぐるみはきちんと洗濯してコレクションにしてある、一つ一つのぬいぐるみに彼としたプレイや掛けてくれた言葉責めが込められているから、思い出して自慰をしてしまうこともしばしばだ。

 私はぬいぐるみに抱きつきながらあそこを弄られると、堪らなく興奮してしまうというちょっと変わった性癖(どうせなら可愛らしい趣味とでも呼んでほしい)の持ち主だった。



「葵(あおい)のここは素直に悦んでるけど……って、言ってほしいんだよね?」
 中で少しゆびを曲げてざらつきを執拗に擦りながら、彼氏の陽斗(はると)は息を乱した。
 それくらいお見通しだ、と言うような口調で、かき出す蜜を使ってぬいぐるみをびしょびしょにしてゆく。

「あう…っ!」
 私は達してしまう。
 ビュッと勢いよく噴くはずだった潮も、大きなぬいぐるみに全部染みていった。
「今日のもまた、ぐっしょりになってる……」
 陽斗はゆびで心得ているやり方で、ぬいぐるみをどこまでも私の蜜で湿らせる。

「これも使って今度、一人エッチすんの?」





 ヌグッ、ヌグッ…ヌチャッ――…

「……っは、あ…っん、あ…あっあ」
 クリトリスをついつい自分から擦りつけてしまうぬいぐるみは、厭らしい体液をたっぷりと含んでいた。
 じわじわと滲み出して、私が濡らしたはずの甘い蜜が今度は私を濡らしたりする。
 ぐしょぐしょになればなるほど、私は興奮する。

 今の彼の台詞を思い出しながらの自慰には、是非とも溺れてみたい。



「葵がどんな風に一人エッチしてるのか…俺も見てみたいな」
 陽斗はヌルリとゆびで、中を拡げながら抜き差しを繰り返した。
 赤く開いたヴァギナの奥まで、覗かれているようで羞恥に欲情する。

「あっっ!」
 見られながら自慰をすることを想像すればさらに興奮して、ぬいぐるみにしがみついた私はまたしても達してしまった。

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