※※第355話:Make Love(&Gratification).215














 目の前が真っ暗に閉ざされた世界で、時折、光の弾けるような目眩が襲い来た。
 放置プレイでびしょびしょになり、ベッドもびしょびしょにしてゆくナナは頭がくらくらして上手く思考を巡らせられない。

 あ、イく……と思った瞬間にはもう、達している。
 薔が出掛けてから今までに何度達してしまったのかは、数えられる余裕もなく到底覚えていなかった。


 「あっ…あっあっんっ、あっん…っあっっ、あああっっ……」
 足枷の音は相変わらず激しく響き、交接器に嵌められたバイブと左右の乳首に取り付けられたローターの振動音もそれに混じっていた。
 そしてひっきりなしに嬌声が上がり、彼女は荒々しく息をして、体液が淫音を立てている。

 ヴヴヴヴヴヴヴッ――――…!

 玩具はどこかしらの振動が変化することなく、しばらく同じ強さで刺激を与えていた。
 それがなかなか強い刺激で、達する間隔が狭くなっている。

 このままでは一人でなじられながら、気を失ってしまいそうだ。



 「あああんっっ!」
 達したナナは潮吹きをしていた、見えていなくても感覚でわかる。
 またはしたなくベッドを汚してしまい、羞恥心が駆り立てられた。
 こんな恥ずかしいところを、彼に見られたくて堪らない。

 見られながら、恥ずかしい有り様をわざと言葉にされたりして、好きなように弄ばれたい。


 「んっ…はっ、ああっ…っ、」
 躰をふるわせたナナは高揚して、自分は彼に見られながら淫れてゆくのだと、錯覚しようとした。
 彼を怒らせた原因でもあるエッチな夢の内容も、ちゃっかり思い出してみる。
 浮わついた心で見た夢ではなく、一途な心が淫乱になってしまい見た夢だった。
 彼にこの気持ちを、早くわかってもらいたい。



 ナナは後ろで彼に両手を掴まれ、胸をいじくられているのだと想像する。
 もう一人、彼は前にもいて、バイブを膣にずっぽりと咥えさせ、たらたらとした蜜を誘い出している。

 そう考えると興奮したが、やはり一番は早く彼に帰ってきて欲しかった。
 帰ってきてすぐに、ぶち込まれたいくらい、自分はいやらしく下拵えをしている。
 愛液が非常に潤滑を良くさせているヴァギナには、きっと一突きで奥までスムーズに挿る。

 ナナはぞくぞくした、早く挿入して欲しくておかしくなりそうだった。


 「あっあっあっあ、あ…っっあっ、あんっあっああっんっあっ、あんっ…あっん…っっ!」
 ビクビクとふるえたナナはまたしても達してしまい、大量の潮吹きをしてシーツを湿らせた。

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