※※第353話:Make Love(&Shed).213







 「舐めるか?これ……」
 腰を振りながら、彼は確かめた。
 小さく頷いたナナは、また傷口に吸いつこうとする。


 グチッ――――――…!

 すると、あと少しでくちびるが触れようとした瞬間に、奥を強く突き上げられた。

 「ひゃあっ…っ!?」
 痺れるみたいな快楽にやられて、腰の力が抜けたナナは吸いつく前にくちびるを放す。
 あとは嬌声がひっきりなしに上がる。

 「どうした?早く舐めろよ……」
 妖しく微笑して、薔は彼女の両手を押さえつけていた。
 ぎゅっとソファに沈むくらい、体温に体温が重なる。


 ナナだって、早く傷を癒やしたかった。
 痛々しい彼の傷を、血を、完全に消し去り元通りにしたかった。

 でも、今は至難の業だった、こんなにも苛烈に突かれていたらとてもではないがままならない。



 「あんっ…あっっ、あっあっあっあっっああっ!」
 舐められず、また絶頂となったナナは胸におかしな感覚を覚えた。
 キュウウウッと、膣が締めつけるみたいに、乳首が疼いたのだ。


 そのうちに乳首からは、乳白が溢れて胸を伝っていた。
 血液を貪ったからミルクが出たのか、定かでなかったが、孕ませて欲しいナナにとっては素晴らしい兆候だった。


 「代わりに舐めてもらおうって魂胆か?」
 乳房を揉んだ薔は乳首を舐め上げ、吸いついた。
 「んやっっ!?あああああ――――――…っっ!」
 甘ったるい乳白を吸われるとナナは我慢がならずに、オーガズムを得た。
 乳首が非常に敏感になっていた、やはりこれは久しぶりに味わった彼の血液の効果としか思えなかった。

 「あっは…っんっ、らめ…っ、も…っ、あ…っ、」
 ナナは甘えた声で訴えるものの、扇情的な響きにしかならない。
 「ダメって事は……もっとしてって事だよな?」
 嘘などわかりきっている薔は濡れゆく乳首を舐め回し、吸いながら扱いたりした。
 じんじんする乳首は彼の舌で自在に遊ばれ、膨れ上がり、いやらしいミルクを差し出す。

 「あああっ!あああああぁぁっっんっ!」
 ナナは胸を舐められながら何度も絶頂を掴み、しきりに膣を収縮させた。
 「……っ、」
 きつく吸い寄せられると薔は、わざと乳首を甘噛みする。
 彼の傷はまだ癒やせず、胸を淫らに熟れさせる。


 胸も感じて子宮口もずっと激しいピストンを感じて、意識など飛んでしまいそうだった。





 「可愛いよ、ナナ……おまえがイキ狂ってる顔、何度でも見せろよ……」
 くちびるにくちびるを寄せて薔は囁き、幾度となく奥を突いた。
 「あっあっあっっ…あああ――――――…っっ、」
 ナナは彼にしがみつき、好きなように乱された。

 もしも孕める躰になって、安易に中に出してもらえなくなったら、どうすればいいのだろう。
 そんなことすらこれっぽっちも考えられずに。















  …――I want to become pregnant someday.

[ 71/202 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]



戻る