※※第362話:Make Love(&Sex aid).53








 「あああああんっっ!」
 またしても、ナナは絶頂となった。
 「……っ!」
 ほぼ同時に射精をして、薔はすぐさま彼女のくちびるを奪った。

 激しく舌を絡めながら、勢いよく迸りを注ぎ入れる。
 ナナは無我夢中で、彼を堪能し貪る。




 「……それじゃあ、始めるぞ?」
 大胆不敵に微笑むと、薔はなめらかに抜いた。
 「あっ…あっ、あ…っ、」
 抜かれる瞬間にも感じて声を上げたナナは、口許を片手で塞がれる。

 「始めるって言ったろ?声上げんなよ、」
 どこか厳しく言い聞かせた彼は先ほどまでのように、本能のままに嬌声を上げることを許しはしなかった。
 雰囲気にドキドキしたナナは動かせる範囲で、首を縦に振る。

 「よし、それでこそ俺のナナだ……」
 手つきは優しく、あたまをよしよしすると薔は彼女の着衣を整え、自らも整えた。
 しかしながら彼女のパンツはびしょびしょで、下着は新しくする必要があった。


 「大人しく待ってられるな?」
 下着を拾い上げた彼はノーと言わせない確認をする。
 ナナは黙って、頷く。
 か弱く、彼のシャツを掴んでいた手をゆっくり離す。

 優しくキスをすると、薔は奥の部屋へ向かっていった。
 お出かけの準備は、身支度だけではなくなったからだ。


 ナナは溢れてきてしまう白濁を締めつけたくて、しきりに膣をうねらせた。
 残ったままお出かけになったら、ずっと彼を感じながら我慢しなければいけなくなる。
 平常を保てるかどうか、わからないけれど、保つ以外に道はない。





 「全然落ち着いてねぇな、大丈夫かよ……」
 戻ってきた薔は溜め息をつくと、下着を穿かせる前に、玩具を嵌めさせた。
 「……っっ、」
 ますます彼のが溢れて声を上げそうになったナナは息を呑み、くちびるを噛んで声を我慢する。
 玩具はまだ動かずに、すっぽりと収まった。

 「言い出したのはおまえだからな?」
 ゆびさきでコンコンとバイブを突つき、薔は耳もと囁いた。

 「俺がどんな悪戯を仕掛けても……隠し通せよ?」

 彼はわざと、熱を帯びたゆびで触れることがある。
 それすら密やかなのだから、彼女はもちろん熱を隠し通さなければならない。
 彼以外に、その熱を見せてはいけない。


 ナナは小さく頷き、妖美な笑みを浮かべた薔は彼女にキスをした。
 キスの最中に、周りに気づかれるような声を漏らすことも今は禁じられている。

 夕月の迎えまではまだ時間があったが、ナナが自ら望んだ試練は幕を開けた。















  …――Our hide-and-seek.

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