※※第362話:Make Love(&Sex aid).53








 「羚亜くんはどうして、13時までバイトなの?」
 愛羅は、用意してあるレオタードに向かって問いかけた。
 なぜ羚亜が13時までアルバイトなのかと言うと、彼がそのようなシフトの希望を出して、希望に添ったシフトに入れてもらえたからである。

 バイト先のコンビニではなく自室で独り問いを投げ掛けた愛羅は、13時まで我慢をするのが辛くなってきた。
 早くこの恥辱的なレオタードを着せて、彼に恥ずかしいお仕置きを強いてしまいたい。


 「こうなったら、女の子の才能を発揮させちゃお。」
 ウフッとはにかんだ愛羅はいそいそとクローゼットから、ミシンを取り出した。
 女の子の才能とはすなわち、裁縫であった。

 女の子の才能を用いて、彼氏に着させる予定のレオタードをより自分好みに縫い直してしまおうという寸法だった。
 あとは、リボンとかレースとか、無駄に装飾を施して尚いっそうの羞恥を駆り立てる仕様にしてしまいたい。

 「もういっそTバックにしちゃおうかな?」
 まじまじと眺めた愛羅は、大胆なことを思いついた。
 男の子にとってはフロントですらギリギリな幅であるのに、Tバックでもっとギリギリにしてしまおうという作戦である。

 別の何かしらでも活かせそうな熱量ではあるが、愛羅はとくに採寸などはせずに猛烈な速さで待針を留めた。
 胸元も、いっそのことシースルーにしてみようかという発想が思いつく。
 もともと、男女のカップルが、女性にいやらしい姿になってもらうべく行うプレイ用のものを、彼のためにさらなる卑猥な作りに仕立て上げる気満々になっている。

 羚亜がこの光景を目にしようものなら、卒倒しそうである(そのあと直ちに餌食になるけど)。




 「羚亜くんがあたしの想像力を掻き立てるから、いけないんだよ……?」
 笑いながらミシンの電源を入れた愛羅のカテゴライズは、ヤンデレでもサイコパスでもなく、やはりエロ親父だった。
 エロ親父だからこそ、彼氏にTバックのレオタードを着せたくなるのだ。

 13時まで待ちきれない気持ちを創造性に活かし、愛羅はレオタードを改善していった。
 ピッチピチのTバックにして、胸元は透け透けのレースにして、リボンと鈴をあしらったりして、どさくさ紛れに自分のニーソも引っ張り出してくる。
 ニーソとの組み合わせは非常に萌えるものがあり、気合いが入りすぎた愛羅は自分の白いニット帽のボンボンを引きちぎり、兎の尻尾に見立てるべくTバックの辺りに縫いつけた。

 こけしちゃんも感服するしかないくらいに、彼氏を責めたがっている。

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