※※第349話:Make Love(&Sex aid).50
















 いよいよ、やってまいりました、

 《F・B・D]》!

 初っぱなから濃厚に、始めていきましょうか。




 ……Are you ready?











 結局こけしちゃんは醐留権にファッションショーの話を聞かされないまま、いかがわしい夜を共にした。
 こけしちゃんに話していれば、おっとりながらも最速で的確なアドバイスをもらえただろうに、醐留権は迂闊だった、むしろいかがわしさ全開だった。


 「えっ、夕月さんが日本にいらしてるんですか?」
 そしてこの日、夕月の帰国は夕月の報告によってメインカップルへ早々に知らされていた。
 「明日の夜会うことになった。」
 「楽しみですね〜!」
 なぜ帰国をしたのかはまだ知らずにいたが、夕月の誘いは断れないのが薔である。
 否応なしにお供するであろうナナも、夕月の前だと妙にしおらしくなる貴重な彼の姿が見られることもあって気分は相当浮かれている。




 (ナイスガイ鎧がぁぁ、帰国ぅぅっ……?)
 ちゃっかり聞こえていたこけしちゃんは、胸を躍らせた。
 昨夜は彼氏とホテルでエッチをしたので、お肌の艶も良く朝から絶好調だった。

 (ついに薔くぅんとぉ、養子縁組を交わしに来たのかなぁぁ?)

 専ら、妄想が絶好調だった。
 いかがわしい彼氏のおかげでベッドシーンは生々しく妄想することができた。
 こけしちゃんの脳内では要先生とナイスガイ鎧(この呼び方はどうにかならないのか)の白熱した薔の奪いあいが、勃発する。

 いつものように平和な日常だが、夕月の帰国によりファッションショーの件は、醐留権母である洋子のお仕置きだけでは済まなくなりそうだった。








 「ええっ!?羚亜くん、まだ醐留権先生に話してなかったの!?」
 「だって要さん昨日、帰って来なかったんだもん……」
 羚亜は愛羅から受けたアドバイス通りに醐留権に話そうとしたのだが、生憎ゾーラ先生は生徒とホテルにお泊まりしたので昨夜は帰って来ず何も話せず終いだった。
 周りが健闘している中、発端者でありスポンサーでもある醐留権家がこれでもかというほどの他人事でいる。


 「……婦人警官の制服、超ミニスカにしていい?」
 「俺のせいなの!?」
 明らかに醐留権のせいにも拘わらず、羚亜は提案料を上乗せされた。
 男の子なのに超ミニスカは屈辱的だけど、受け入れざるを得ないのが子羊の宿命でもあった。

 「何で愛羅さんはいつも俺に、女性用のコスプレをさせたがるの!?」
 「それはね、羚亜くんが男の子だから!」
 「支離滅裂じゃん!」

 羚亜はよくわかっていないようだが理由は明白だった、それは愛羅がエロ親父だからである。

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