※※第356話:Make Love(&Keep).216







 「は…っ、恥ずかし…っ、」
 脚を開かれ、ナナはか弱い声を上げる。
 「もっとしてって言ったのは、嘘だったのか?」
 開いた脚を掴んで持ち上げ、薔はまだ隠れている割れ目に顔をうずめた。

 「あんなに可愛く強請ったくせに……」
 パンツ越しに蜜を吸い上げるように、彼は舌を這わせる。
 視線を絡めてソコを舐められ、ナナは興奮してどうしようもなかった。
 これから、イベントがあり、それに参加するためにここにいる、不本意な参加だったとしても、会場には夕月だっている。
 淫靡な気持ちは押し殺さなければならないと知っているのに、知っているから膨れ上がり押し殺せない。
 彼に乱され、めちゃくちゃに善がってしまいたくなる。


 「あ…っあっ、んっ、あ…っ、」
 ビクビクとふるえるナナは我慢がならず、声を上げてしまった。
 パンツを穿いていても、彼の舌がラビアを伝う感覚は鮮明だった。
 艶かしくて、気持ちよくなる。
 「声出すなよ、」
 舐め上げてたしなめると、薔はパンツをずらし直に愛撫した。

 「ん…――――――…っっ、」
 言われた通りにするために、ナナは両手で口許を覆う。


 ジュッ…チュプチュプッ…

 彼はクリトリスを優しく舐め回し、時折そっと吸いついた。
 ぷっくりと膨れているソレをもっと膨張させて、敏感にしようとしている。
 彼の思い通りになる躰は、ナナの思い通りにならない。
 恥ずかしくてもいくらでも、愛液を差し出している。

 「ん…っふっ、……っっ!」
 ふるえたナナは達して、その間にもクチュクチュと入り口を舌でなぞられた。
 「興奮してるよな?俺も、おまえも……」
 薔はゆびでクリトリスをさすると、秘裂を愛撫してから膣口を拡げた。
 イったばかりなのに……大胆にうねる中を視線が捕らえ、ナナはダメとうっかり言葉にすることも叶わない。
 ただ、彼にして欲しいことは彼女が願う以上に叶っている。

 「いつ、誰がノックしてもおかしくねぇのに……こんなことしてて、危なっかしいから、俺はおまえを淫して、おまえのここはひくついてる……」
 甘く吹き掛けた薔はしきりにうねる膣へと舌を滑り込ませ、抜き差しした。
 舌で蜜を絡め取り、味わい堪能する。

 「っっ…んっ、んん…っ、」
 宙でつまさきをビクビクさせるナナは、彼の言葉は自分にしか聞こえていない愉悦にも責められた。
 喘ぎ声を出してはいけないのに、彼は意地悪な言葉で誘惑をしてくる、でも彼の力加減は絶妙で、その妖艶な囁きは彼女にしか聞こえていなかった。
 ふたりきりの世界ではないこの場所を、ふたりきりの世界にしてしまっていた。

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