※第6話:Game(+Foreplay).4





 花子は、餌ばちをくわえて尻尾を振っていた。
 そして花子は、ソファのうえで未知のプレイを繰り広げている、上半身ハダカの大好きなご主人さまと、この部屋に来たのは本日でたったの二回目なのでよく知らない女を、食い入るように見つめていた。



「花子、」

 薔は起き上がると、花子に向かって上半身ハダカのまま歩いていく。
「ほしいのか?」
 エサだよ!?エサ!
 ワンちゃんのご飯のことだよ!?
 文章だけ見ると、そこはかとなくいやらしいんだよ――――――――っ!!

「待ってろ、今やる。」
 そう言い花子のあたまを撫でると、薔はリビングを出ていった。


 (おぉお……!!もはや、花子ちゃんは救ってくれたのか邪魔したんだか、よくわからなくなっちゃったよ!!)
 そんなことを考えながら、ナナは服を着ていた。

 要するに、犯されたかったのか?





 サァ――…
 花子に餌を与え、なでなでしている薔を眺めながら、ナナは気絶寸前だった。
 (わぁあ……!こうやって眺めてると、あのひと、おそろしくキレイだよ!あんなすんごいひととさっきまであんなことしていたなんて、時間をさかのぼりたい気持ちがなきにしもあらずだよ!)

「おい、」
 …………………は!!

「まだヤりてーのか?」
 えぇえ!?
 このひとまさか、こころが読めるの!?
 それ事実なら、いままでのわたしをなかったことにしてほしいよ!?


「いつの間に服を着たんだ?お前は、」
「い、いや、アナタさまが、花子ちゃんのご飯をとりに行ってらしてるあいだにですけど…、」

「ふーん、」

 それだけ言うと、薔はナナに向かって歩いてきた。
 ちなみに彼は未だに、服を着ていない。

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