※第6話:Game(+Foreplay).4
朝です。
恋しちゃってから、朝です。
なんてせつなくて、清々しい朝でしょうか!
「おはよう…………」
と、いうのは、あれで、ナナは寝不足ですよ。
「どうしたんだ?ナナ、寝てないのか?」
「ごらんのとおり。」
父と娘の、至って普通の会話。
(学校、行きたくない……………。)
それよりなにより、行けないよぉ―――――――ぅ!!
……無断で早退してきちゃったからね!
「おぉお……………!」
あまりの感情に、泣き出すナナ。
「ナナ、」
ここで、ようやく、母、登場!
「お母さん…………」
顔をあげたナナに向かって、ふた言。
「大丈夫よ。ナナ、信じなさい。」
背高き母は、ナナを見下ろしていた。
ナナはよく、見下ろされます。
「なにを?」
「おのれに決まってるでしょうが。」
お母さん……………!
お母さん、ちょっと、なんかそれ、めちゃくちゃかっこいいよ!
どこかで引用してもいい?
「ありがとう、お母さん!わたし、行ってくる!」
ナナはいそいで、支度を始めた。
「やっぱりマイハニーは、素晴らしいなぁ……!ボクはキミを一番に、尊敬するよ!」
「ありがとう雅之。」
ナナ母はこの間ずっと、腕を組んでいた。
鏡の前で、自分とにらめっこをする。
(寝ぐせないよね?寝ぐせなんてあったら、何を言われるかわかったもんじゃないよ!)
「あっ!なんか髪、やったほうがいいのかな?どうなんだろう?」
…………………って、
これじゃあ、まるで、少女漫画だよ………?
「いいわ!もう、いってきます!」
ナナは意気込んで、家を飛び出した。
新しい扉、開けられるか?
開けちゃったのか?
[ 59/550 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る