※第6話:Game(+Foreplay).4




 朝です。
 恋しちゃってから、朝です。
 なんてせつなくて、清々しい朝でしょうか!

 「おはよう…………」

 と、いうのは、あれで、ナナは寝不足ですよ。

 「どうしたんだ?ナナ、寝てないのか?」
 「ごらんのとおり。」

 父と娘の、至って普通の会話。

 (学校、行きたくない……………。)

 それよりなにより、行けないよぉ―――――――ぅ!!

 ……無断で早退してきちゃったからね!


 「おぉお……………!」
 あまりの感情に、泣き出すナナ。

 「ナナ、」

 ここで、ようやく、母、登場!

 「お母さん…………」
 顔をあげたナナに向かって、ふた言。

 「大丈夫よ。ナナ、信じなさい。」
 背高き母は、ナナを見下ろしていた。
 ナナはよく、見下ろされます。

 「なにを?」

 「おのれに決まってるでしょうが。」

 お母さん……………!
 お母さん、ちょっと、なんかそれ、めちゃくちゃかっこいいよ!
 どこかで引用してもいい?

 「ありがとう、お母さん!わたし、行ってくる!」
 ナナはいそいで、支度を始めた。


 「やっぱりマイハニーは、素晴らしいなぁ……!ボクはキミを一番に、尊敬するよ!」
 「ありがとう雅之。」
 ナナ母はこの間ずっと、腕を組んでいた。




 鏡の前で、自分とにらめっこをする。
 (寝ぐせないよね?寝ぐせなんてあったら、何を言われるかわかったもんじゃないよ!)

 「あっ!なんか髪、やったほうがいいのかな?どうなんだろう?」

 …………………って、

 これじゃあ、まるで、少女漫画だよ………?



 「いいわ!もう、いってきます!」

 ナナは意気込んで、家を飛び出した。
 新しい扉、開けられるか?
 開けちゃったのか?

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