※第48話:Love(&Destiny!).37





 「…………………!!」
 真っ赤っかなんてものじゃないナナは、沸き返って、絶句。

 「おまえも、言えよ。」
 そして、ちょっとだけ抱きしめるちからを強め、薔が求め(命じ?)ましたので、
 「ぁの…、大好き…です……、はい………」
 小さくではあったが、ナナは声だの何だの振り絞ったんです。

 「ちっせぇ声だな、」
 なのでやっぱり、こう返ってきちゃったんですな。

 「ぎゃあ!すみません!ほんっと好きです!大好きです!」
 とっさにナナはけっこう叫んで、

 「いきなり、叫ぶな。」
 耳元で、薔は笑って言った。




 (おおおっ!?いつまでこの状態なんですか!?)
 もはやナナは、ふるえ出しそうであります。

 すると、ゆっくり起き上がった薔が、彼女を覗き込むようにして、微笑み問いかけました。


 「襲われたかったろ?」







 ギュ

 自身のTシャツを両手で掴んだナナは、

 コク…

 真っ赤で頷いちゃいましたね。


 「かわいい、」
 瞳を細め、笑った薔が、両手をナナの頬に当ててから、そうっと近づきます。

 ただただ、ドッキドキのナナでしたが、

 チュ―――――…

 ものすごくやさしく、くちびるは触れ合った。


 何度もその、やさしいキスは続いたが、だんだん夢中になってゆく。

 「ん…………」
 つよく抱き合い、熱さと深みを帯びてゆくキスを交わしていると、

 グイ――――…

 いつの間にか、形勢逆転か、ナナが上、薔が下になっていた。


 「は……っ、」
 零れる吐息すら、次第にくちびるが塞いでゆく。
 呼吸は、困難なのではなく、贅沢なほどに邪魔なのだ。



 「んっ…、んぅ……っ、」
 朝からキスは、最終的にかなり濃厚だった。




 「はぁ―――――――…」

 くちびるがやがて離れても、火照りまくったふたりはひどく近くで見つめあう。


 「起きるか、」
 ふと、薔が告げて、
 「は、はい…、」
 ちょっとだけぽわんとしたナナは、それでも頷きました。



 本当に起きようとした、瞬間だった。

 少しからだを起こした薔が、目を瞑る間もなかったナナに、

 ちゅっ

 と、やさしく短く、瞳を閉じてくちづけたんですね。




 ナナは、呆然。

 そして、目の前でふっと微笑み、薔は囁きかけた。


 「おまえだって、頭ん中、俺でいっぱいなんだろ?」










 呆然としたまま頷いたナナさんでしたが、珍しく拗ねた朝は、おそらく吉と出たのでしょう!

 花子はまたしても、前脚で目を覆ってから、チラ見しており。
 なにげに、時間は大丈夫なのかと、気にしていたんです、花子は。

 いざとなったら、そのときは、花子が知らせてくれたのだと思う。

 きっとね!

[ 533/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る