※第48話:Love(&Destiny!).37








 いよいよ、
 やってまいりました!

 ダブルデート、当日です!

 この日は、ガールズとボーイズの間でもちょっとした告白が行われましたので、どうか、念頭に置いてご覧ください!










 朝です!


 ナナは未だ、夢の中にいた。
 どのような夢かは定かでないが、うなされていないことから、悪い夢ではないと思われる。


 そんな中だった。



 「…暑い、」
 ふと、薔が寝言のように言ったこの一言で、ナナは目を覚ました。

 そして、気づいた。


 昨夜は、つまり薔を真ん中にして眠りに就いたわけなのだが、なんと朝になってみると、ナナも花子も彼に抱きつくようにして眠っていたのだ。

 ナナよ、自分から抱きつくなんて、よくやったね!



 (ぎゃあ――――――――――――っ!!)

 しかし彼女は真っ赤っかになってから、とりあえず離れようとした。


 その瞬間、

 ぱち

 薔が、目を覚ました。




 ……はわわわわぁ!?



 慌てふためくナナだったが、

 「おまえな、これは逆上せてもおかしくねーぞ?」

 そう言って薔は、ゆっくりと起き上がった。


 でもって、彼は、

 「花子、起きれるか?」

 ほぼ自身に乗っかるようにして眠っていた花子を、なでなでし始めたのだ。




 ……………え?
 なんですか?

 わたしにもそういう感じで、やってほしかったんですけど。
 そりゃわたしのほうが少し、早く目覚めましたが!


 もやぁ…


 おもむろに起き上がったナナは、膝を抱えちょいとふくれた。


 なので、

 「今日はゆっくりもしてらんねーな、」

 という薔のセリフに対し、

 「あの…、どうせなら花子ちゃんと、行ってらしたらどうですか?」

 ふくれっ面のナナは、こう返しちゃったんです。



 「あ?」
 薔はすぐさまナナを見たが、
 「なんだかわたし、邪魔者のようですし、」
 拗ねている彼女は、抱えた膝のうえに顎を乗せるみたいな体勢をしていた。




 「………………、」
 いったん黙った薔だが、

 ふわ

 伸ばした右手で、ナナのあたまもなでなでし始めましたね。

 そんでもって、やさしく言ったんですね。


 「ごめんな?」


 ってね。





 声色のやさしさなどで、ナナはドキリとしてしまい、

 (えええええ!?わたし、勢い余ってだったんですけど、そう返されるとほんと困っちゃいます!)

 真っ赤で俯いた。


 「おはようも、まだだったな…、ナナ、おはよ。」
 「い、いや、あの、おはよう、ござい…ます……」

 ずっとあたまを撫でられ続けているので、

 (どーしたらいいんだぁ!?お顔、まともに見れないよ!)

 ナナは更に俯いた。



 そんな彼女に、

 「なぁ、ナナ、」

 薔は問いかけました。



 「襲っても、いいか?」







 …ぇぇぇぇぇぇえええ!?




 「なななななにをおっしゃいますーっ!?」
 ようやくこの時点で、沸騰したナナは薔の顔を見れた。


 「そんな、襲うというのは、断ってから普通はするものなんですかぁ!?」
 「なら、今のナシだ。襲わせろ。」


 ええええええっ!?


 「エッチですってーっ!」
 「おまえが可愛すぎるから、いけねーんだろ?」

 ぎゃあ―――――――――――――っ!!

 なんとまあ、この光景を見ながら、花子はとっても嬉しそうに尻尾を振り出しました。


 「ゆっくりもしてられないのでは、なかったんですかぁーっ!?」
 「安心しろ。俺の計算でいくと、ベッドの上では最大29分の余裕がある。」

 …30分にはできなかったんですかぁ!?


 そうこうしているうちに、

 ドサッ―――――…

 結局ナナさんは、押し倒されちゃいました。



 (わぁあ!ほんっともう、いい匂いなんですってば!)
 とかしみじみしていると、

 ぎゅうっ

 やさしくだがちょっとつよく、抱きしめられていた。



 (どどどどどうしよう!?なんか、心臓がおかしくなりそうなんですけど!)
 高鳴り過ぎた鼓動を、抑え込もうと必死になるナナの耳元、

 「邪魔者なん、よく言えたな。俺の頭ん中、おまえでいっぱいなんだぞ?」

 更に高鳴ること必至の声を、薔は吹きかけた。


 「優しくされてーなら、優しくしてやる…、…ナナ…、大好きだよ?」

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