第4話:Game(+Sadness).2
無事に傘をさして帰路に就いたナナを、部屋の窓から薔は見送っていた。
「クソ目立つよう、“真っ赤な傘”にしてやったからな。」
テーブルのうえにあった、商品タグを手にとり、
「倍請求の予定だったが、」
ゴミ箱へ、捨てる。
「どうやら“それ以上”払い終えたか。」
「雨、強まってきたな。」
窓の外、どしゃ降りの空を見上げ。
「いいか、ナナ、」
薔は静かに語りかけた。
「濡れんじゃねーぞ、“俺以外”に。雨だろうとなんだろうと、お前を汚していいのは、俺だけだ。」
雨に意志があったとして。
雨は彼を敵に回してまで、ナナに打ちつけただろうか?
「伏せた瞳を見れば、嫌でもわかる。」
このひとは、本当に悪魔?
「お前はもう、とっくに、俺に堕ちてんだよ―――――…」
さて、
共に堕ちるのは、
かまわないと、誓えますか?
嫌でも出ますよ?
禁断症状。
……ナナさん、大丈夫?
麻薬のようだな、このひとは。
………………それとも媚薬?
たちが悪いったら、ありゃしない。
Game.2 captured...
…and…deep…Sadness<それは、ふかき、かなしみ>.
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