第3話:Game.1




「そんだけ長く生きていたら、」

 はい?

「いい加減、退屈にもなるだろ?」
「ま、まぁ、そういうときもあったので、否定はできませ」
「だから、」




「遊んでやるよ、俺がお前と。」




 ……これは、ゲームです。






「俺が“死ぬ”まで、ずっと、な。」








 ヴァンパイアの王さん………、
 わたし、知らなかったです。
 人間て、悪魔にもなれるんですね。




「あれから、血は飲んでねーのか?」
「あれから、と言いますと?」

「俺とお前が、キスだけでヤった日からだ。」

 ………………ぎゃああ!!

「そそそそそうですけど、それが何か!?」
「飢えてねーのか?」
 は!よくよく考えると、手足しびれてるかも!
「若干、体調悪いであります!」

「お前は本当に、バカ正直にもほどがあるな。」

 ええ。
 最近気づきました。アナタのおかげで。

「交渉、成立だな。」
「………………へ?」


「来いよ、ヤるから。」


 いやぁ――――――――――っ!!
「いいいいいです!まだ大丈夫です!」
「なら、こっちから行くぞ。」


 薔は、動くこともできずにいる、ナナに近づいてきた。


 スッ―――――…


 そして目の前で、止まった。


「どこがいいんだ?」
「どこって……………」

「イかせるとこだ。」
 …………えぇぇえ!?

「いや、それ、痛いんで、暮中さんが決めてください………………。」

「ふーん、」





「ならまた、唇でガマンしてやるよ。」





 ナナは心底、自分で決めれば良かったと後悔した。
「え?ちょっ………………」
 顎を持ち上げられる。
「んンっ――――――…」
 甘い香りに、抱きしめられていた。


「……ん…………っ…………」
 やがて一筋の血が、ナナの顎を伝う。
「は…………あ……………」
 くちびるを離されたとき、ナナは達していた。

 そしてぐったりと床に倒れ込むと、そのまま、意識を失った。



























 ―――――――…あれ?

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