第3話:Game.1
み、見つめられてる……?
「お前、」
ゴクリ。
「前髪だけはムダに跳ねてんぞ?」
これは、寝グセですね………………。
アナタのせいで元気になりすぎちゃって、あまり眠れないので寝返りばっか打ってるからですね………………。
おまけに朝方眠くなるから、直してくる時間がないんです……………。
「じゃ、じゃあわたし、席につくね!」
異様なムードを察したのか、先ほどのクラスメートの女の子(だから、名前…)は、自身の席に戻っていってしまった。
(………待って!)
この空間に、ふたりきりにしないで!
戻ってこ―――――――い!!
…い…ぃ…ぃ…(※エコー)
「おい、」
ぎゃあ!!
「ななななななに!?今日アンタのせいで、何回叫んだかわからないよ!?」
「お前、放課後残れ。」
…………………へ?
「なんで、かな?」
「朗報がある。」
…………………ろ?
「“ろうほう”って、なんですか?」
「知らねーなら辞書を引け。」
辞書………。そう言えばこないだの“へたナントカ”まだ、調べてなかった……………。
「あのぅ、わたし、飼ってる金魚に、エサをあげないといけないんですけど」
「金魚は餌を与えすぎると、逆に死ぬぞ。」
…………知らなかった!(そもそも金魚、飼ってない!)
「あとわたし、洗濯物を外に干してきてあ」
「俺が残れと言ったら、残るしかねーぞ?」
見下ろされてる……………流し目で……………………。
……………お父さん、お母さん。わたしにチカラを与えてくださった、ヴァンパイアの王さん。
なんなんですかね?
このひとは?
なんでこんなにも、絶対的なんですかね?
放課後、
このままいくと、わたし、無事に帰れる気がこれっぽっちもしないんですけど。
どうしたらいいでしょうか?
このわたしは。
まぁ、きっとそれを教えられるのも、“このひと”だけなんでしょうけど――――…
外は、晴れてます。
こころには若干、暗雲立ちこめます。
………………どうしたものか。
[ 27/550 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る