第3話:Game.1




 オープニング・テーマは、おそらく流れました。
 ついでに“堕落のメロディ”は、いかがでしたでしょうか?
 それでは、CMすっ飛ばして、イかせてもらいます。


 …Are you ready?





「おはよー、三咲さん。」
 クラスメートの女の子が、明るく話しかけてきた。
「お、おはよう………。」
 ナナは机に突っ伏したまま、消え入りそうな声で答える。
「三咲さん、大丈夫?まだ具合悪いの?」
 心配そうに、尋ねる彼女に、
「い、いや、わたくしは、すこぶる元気です………………。」
 と、ナナは答えた。

 そう、誰かさんの血のおかげで、ここのところナナの体調は絶好調なのだ。
 捕食を全くしていなくても、この間のように憔悴することは、全くもってなかった。
 むしろ、今までにないくらいのパワーが漲り、他の血を吸いたいという考えが全く起きなかった。
 (くそぅ…………、どうなってるんだ?アイツの血は?これじゃあまるで、精力剤だぞ。)←なに考えてるんですかアナタは。
 (だいたい、血を吸うにももっとやり方があるだろうが!あんな、くちびるから、キスなんかして………………)

 …………………キス?

 ※ナナの第二話ちょこっとだけ振り返り。


「ぎゃあ――――――っ!!」
 びくびくぅ!(※先ほどナナを心配していたクラスメートの女の子の怖がりよう)
 (お、思い出すな!わたし!だいたいわたしもう387年生きているんだから、キスなんてどうってことない!)
 …………ナナさん、387歳なんだ。
 (アイツのくちびるが異様にやわらかかったし、ちょっとだけ雰囲気がエッチだっただけだ!)

 …………雰囲気が、エッチ?

 ※再びの振り返り。

 ……………………ドテッ。

 ナナは机に倒れた。
「三咲さん、大丈夫!?」
 心配はちきれて駆け寄る、クラスメートの女の子(名前で呼んであげてよ)。
「大丈夫…………。ちょっとしたエロスに、冥界が見えただけだから………………。ボケツ掘った、だけだから……………………。」

 ……このひと、全然大丈夫じゃないよ。


「なにがエロスなんだ?」

 はっ!!

 (ぎゃあ―――――っ!諸悪の根源!)※言ったらアナタどうなるか…。
 気がつくと隣の席に、薔が座っていた。
「いいいつからそこにいたの!?」
「53秒前からだ。」
 いや、そんな細かいこと、聞いとらんよ………。

 ジッ。

 (う…………………)

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