※第30話:Game(in Bathroom).27
「ローションまみれだしな、手だけでも、構わねぇ。」
そう囁く薔は、妖しく笑ったまますこし首を傾けており。
髪から、水滴が、一粒落ちた。
「タオル、は………?」
えぇ、こう尋ねたナナに、
「好きにしろ。」
ひどくやさしい声で、
「また気絶するといけねーから、ずっと、表情(かお)、見てていい……」
薔は囁いたのでした。
なので、ナナは彼を見つめたまま、隠されていたソコへと手を伸ばした。
「どこがイイのか、表情で、確かめろ…」
こう言う薔に、まとわりついていたタオルを、押し上げるようにして、
ヌルッ――――…
はじめはそっとやさしく、握ってみた。
「……っ…………、」
すこしだけ瞳を伏せた薔は、一瞬、鼻にかかったような息をして、
ゆっくりと、手を動かしてゆくと、
「あ……………」
せつなげに、声を零して、瞳を閉じた。
おかしくなりそうな、激情と感触ではあるが、ナナはちゃんと扱いており、
「はあっ……………はあっ………………」
彼女のまえで、淫れた表情の薔は、いったん深く吐いてから一気に吸い上げるような呼吸をつづけている。
「あっ……っ、」
手が、先へと動いてゆくと、彼はいっそう熱い息を吐いて。
その表情を見つめているナナの理性なんて、ぶっ飛んでしまう。
集中的に、トロリとしたなかで先端部分を攻めると、
「はあ…ぁ……っ……」
甘い吐息をあげて、薔はカラダを反らした。
夢中になるナナは、すでに両手をつかえており、
「あ……っ、ナナ…………」
吐息混じりの甘い声は、譫言みたいに彼女の名前を呼んでいた。
「あっ………あ…っ…………………」
上擦った声を、あげる薔は、
「は…あ…っ…………」
激しくカラダを反らしたあと、
キュ――――――…
伸ばした手でナナのあたまをやさしく掴み、かおを近づけた。
「はあっ…………はぁっ………………」
熱い吐息は、触れあって混じりゆく。
「ナナ……………」
せつなげにうるんだ瞳をうっすらと開いて、薔はナナを見つめていた。
ナナもすっと、見つめ返す。
「好き…………、」
ふっと、愛を囁く、薔。
興奮しきったナナは、手の動きを自然と速めていた。
「ああ…ぁ…っ…………」
薔はビクンとしたが、
「好き……だ…………」
せつなく瞳を閉じて、愛を囁くことを止めない。
「ナナ…………好き…………す…き………………」
あたまにまわした手は、ゆびを曲げて髪を絡めとる。
「はあ…っ、あ……っ、あ…ぁっ、」
薔は濡れたくちびるから、熱い吐息を吐いて、うっとりと、うつくしいかおを歪ませる。
抑えきれなくなったナナは、手淫は続けたまま、
チュク――――…
かがみ込んで、キスをした。
「ん…っ……………」
やわらかなくちびるは深く息をしてから、キスに応え舌を伸ばす。
両腕をそっとナナの肩に置くようにして、薔は彼女のあたまに両手をまわした。
「ん――――――…」
伸ばしあった舌は、激しく絡まって、唾液すら伝わせてゆく。
「はぁ…っ……………はぁっ………………」
キスをしたり見つめあったり、絡まったりするなか、ナナが両手で愛撫していているソレには、限界が近づいていた。
「あぁ――――…っ、」
薔は激しくカラダを反らして、
「ナナ…っ…………ダメだ……………でる………………」
キュッと、ナナのあたまのうえで、手を握りしめて、
「あ……っ!」
甘い声を振り絞ってから、達したのだった。
[ 328/550 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る