※第27話:Game(I'm Toy).25




 「ぅ……う…っ……………」
 「なんで、泣くんだ?」
 泣きだしたナナに、やさしく薔は問いかける。

 「だっ…て…………できっこない……のに………そんな……こと……言うから………うぅっ……………」
 ポタポタと涙をこぼすナナのあたまを撫でて、
 「そーいや、掟があったな。」
 思い出したように薔は呟いた。


 「ちがいますよ!」
 このときナナは、つよく叫んだ。


 「あ?」
 撫でていた手を止めた薔に、
 「掟なんて、わたしもいま思い出しました!わたしはただ、大好きだから、薔さんには生きていてほしいんです!一緒にいたいんです!」
 片手を拳にして涙を拭いながら、泣き叫ぶナナは力説します。



 すると、

 「ナナ、」

 薔は再び、やさしくあたまを撫でだした。


 「はい…………?」
 あ、叫んじゃった、と、涙目でどきまぎするナナに、

 「よく言えたじゃねーか。」

 微笑みかける、薔。


 「えっ?」
 褒められたの?、と、今度は泣きやんだナナのした、


 「俺もおまえと、一緒にいたい。」


 瞳を細めて囁いた彼は、このときまで流れていたゴルゴンゾーラさん(ちなみに第二話目までいっていた)を、テーブル上のリモコンによって、消した。


 ずっとふたりだったが、ふたりきりになった。




 「ずっと、一緒に、いような。」



 チュ―――――…


 そして薔はナナのあたまに腕を回し、引き寄せてキスをした。



 「ふぅ……っ……………」
 瞳を閉じて吐息をこぼす彼女に、

 「ナナ、好きだよ。」

 今度は薔が、確かめさせます。



 「愛してる…………」



 またしてもふたりは、激しいキスに堕ちていった。

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