第24話:Game(=Lovers…).22





 「おおお!?」
 ナナは、目を輝かせた。

 「わぁあ!こんなキレイな花火は、はじめて見ましたよ!」
 「そうか。」
 ナナは、かき氷とイチゴアメを持ったまま、はしゃぎまくった。


 「すごぉい………!」
 はしゃいだあとは目をキラキラさせて、照らし出されるかのように、ずっとナナは夜空に咲き散る、盛大な花火を見上げていた。





 さいごの花火は、ナイアガラの滝だった。
 端からチラチラと流れ落ちてゆく火花に、ナナは見とれていた。


 シュッ――――…


 さいごの火花が、きらめき落ちると、

 パチパチ……!

 拍手は巻き起こった。





 ナナは、かき氷は柵のうえに置いたが、イチゴアメは持ったまま拍手をしており、
 「すごいんですね!本当にキレイでし」
 興奮冷めやらぬまま、薔へ顔を向けた瞬間、



 ちゅっ



 キスをされた。




 「おまえしか見れなかったよ。」






 唖然とするばかりのナナを、やさしく抱きしめて、

 チュ――――…

 薔はキスをつづけます。

 「ふぅ……っ……………」
 ビクッとなるナナは、
 「あ、のっ……ここ………んぅ………ひとま、え……な……んっ……で……………」
 くちびるを触れあいながら動かし、途切れ途切れに述べた。


 すると、
 「まわりよく見てみろ。」
 くちびるを離した薔は、ナナを抱きしめたまま耳もとで囁きました。



 「はい…………?」
 目をぱちくりさせたあと、ナナがまわりを見てみると、


 まわりのカップルたちも、抱きあったり、キスしあったり、さわりあったり、まぁ、色々していた。



 (……おおお?)
 驚くナナを、
 「な?」
 さとすように、甘い声を出して、

 クイ―――…

 つぎに片手で顔を自身に向けると、薔は囁く。


 「もうまわりはいーよ、俺だけ見てろ。」




 チュ――――…

 「んっ……………」

 そしてふたたび、キスははじまった。


 つよく抱きしめられ、あつくくちびるを奪われるナナは、いつしか片手で薔のTシャツにしがみついた。


 「はぁ……っ………んぅ……………」

 くちびるは開かれ、途中から舌すら、奪われるかのように激しく絡めていった。



 「愛してるよ、ナナ。」


 キスの合間にそう囁いて、薔は微笑みかけたのだった。










 ……………Only you are seen.

  〜Brand-new sweethearts〜

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