第24話:Game(=Lovers…).22
ナナは、ぼーっとしていた。
すると、
「ちょっとぉ!キミ!ありがとう!」
女性らが、キャッキャと、近寄ってきた。
「ちょうどよかった!これからおねぇさんたちと、どこか」
「あぁ、なんだ、」
そんな女性らに向かって、
「よく見なくとも、まったく大したことねーな。」
薔は言いました。
「それに比べて、」
やさしくナナを、抱き寄せて。
「俺のこいつは、めちゃくちゃかわいいだろ?」
唖然(by.ナナと女性ら)。
「かわいいモンをかわいーと思えねぇこころ、持ったヤツが一番ブサイクなんだよ。」
「行こうか。」
ナナに微笑みかけると、薔はちからづよく歩き出した。
ちなみに、ナナの肩を抱いて、彼は歩いていった。
残された女性らは、
「わぁあ……!なんだか説得力がありすぎて、めちゃくちゃ申し訳ないね…………!」
「う、うん………!」
やたら、反省していた。
「あのぅ……………、」
「なんだ?」
肩を抱かれたまま歩き、ナナは恐る恐る話しかけた。
「本当に、すみません…………、わたしのせいで………………、」
「おい、」
泣きそうなナナに、薔は言い聞かせた。
「おまえは俺の女だ。当然のことに対して、謝んじゃねーよ。」
「で、でも…………、」
まだ、なにか言いたげなナナですが、
「おまえがかわいすぎるため、妬いてんだな。」
遮って、薔はつづけます。
「はい……………?」
キョトンとする、ナナ。
「妬かれるのも誘われるのも、俺がなんとかする。安心しろ。」
……………ぇぇぇぇえ!?
なんだかくすぐったかったが、ナナははにかんで、薔のTシャツにしがみついた。
結局、金魚には戻らず。
なんだか屋台で、見つけたものを買って、ふたりは川沿いの柵にうつかかっていた。
ナナはフワフワのかき氷を食べて、薔はイチゴアメを食べて(舐めて?)いた。
でもって、まわりの柵にも、カップルがいっぱいだった。
(わぁあ……!このひとがこういうの舐めてると、かわいいうえに、やたらエッチだよ!)
ナナはほおを赤らめており、かき氷の味があまりわかっていなかった。フワフワ加減も。
そんな彼女のとなり、
「甘ぇな。」
薔は呟いて、
「やる。」
自身が舐めていたイチゴアメを、ナナに差し出した。
「ぇぇぇぇえ!?」
ナナは、一瞬で真っ赤になる。
「それは、間接キスというものではぁ!?」
そしてあたふたするのだが、
「いまさらなに言ってんだ?ディープまで、してんだろ?」
うん、やっぱり、こう返ってきましたね。
(ひぇぇぇえ………!)
もはや真っ赤どころの話ではないナナに、近づいて、
クイ―――…
その手をつかむと、
シャリ
すこしだけ彼女がスプーンにすくっていたかき氷を、くちに運んで、薔は一口食べた。
「思ってたほど、甘くねーな。」
もはやナナは、気絶寸前である。
そんなとき、
バァ―――――…ン
はい、花火が上がりました。
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