第20話:Game(+Kidnapping).18





 そして廃墟では。

「おいこら!ベンジャミン!」

 ベンジャミンがナナに、じわじわと近づいているところだった。

「ねぇ、オドレイ、愛し合おうよ。」
 明るく言うベンジャミンだが、ナナは果てしなく萎えた。


 当たり前の話だが、薔に近づかれるとあんなにも高まるが、ベンジャミンだと萎えて仕方なかった。
 まったく絵になっていなかった。


「来るなーっ!」
 ドン引きのナナに、

「捕まえた。」

 ドサッ――――――…!

 ベンジャミンが、またがった。





 ナナはただただ、引いていた。
 そんな彼女の、ほおを挟み込んで、
「ねぇ、僕、童貞なんだけど、キミで喪失してもいいかな?」
 ベンジャミンは笑う。

「ダメに決まってるだろーが!この変態童貞が!」
 ナナは、けっこうな影響力のセリフを、叫んだ。


「え〜、いいじゃん。」
 ふわふわの金髪が、ナナに近づこうとしたとき、

 ベンジャミンはいったん起き上がって、

「もう僕、脱いじゃうからね。」

 服に手をかけた。


「いいよ!見たくないよ!」

 ドン引くナナのうえで、

「あはは。」




 ベンジャミンは、うえを、脱いだ。







 えー、ベンジャミンはまったく鍛えてとかいないので、要するに、体はズドンとしていた。
 見応えがないにも、ほどがあった。

「あの〜、ベンジャミン、言ってもいい?」
 ナナは普段より低いトーンで、話す。

「何かな?」
「あんたその体は、生活に疲れ果てたオッサンだよ。」
「ぇえ!?」
 不幸中の幸いにも、ベンジャミンはのけぞった。

「い、いや、あの、わたしが最近見ているひとのおカラダがとんでもなくキレイなもんで、あれなんだけど、一般人と比べても、あんたそれはひどいよ。」
「ぇぇぇぇえ!?」

 冷めきったナナは、状態に関係なく落ち着いてきた。


「まぁ、いいわ。とりあえず、どいて。」
 落ち着いたまま、ナナは言ったが、


「え〜!?じゃあ、下も脱いであげるよ!」

 ………………………え?




 なんと、ベンジャミンは、ベルトに手をかけて、




 下すら脱ごうとしたのであった。









 ……………Already stop!!!!!!

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