※第8話:Game(&Fete).6




「イヤです!そこはすごく痛いんですきっと!」
「いーから、ヤれ。」

「やですってばぁ!!」


 泣きそうになるナナに、呪文はとなえられた。



「はやくヤれ、ナナ。」







 ……あ、まただ………………。

 と、思ったときには、かがんでしまっていた。

 シャツをすこしひろげて、かかる髪をかき分けると、すべるようなくびすじがあらわになる。
 甘い香りに包まれるように、ゆっくりと近づいて。


 最初はくちびるを押し当ててから、激しく噛みついた。














「……っ…ン…………ん………………」
 いつもによってこれは、ナナにとってセックスに等しいので、彼女はイきそうになっていた。
 要するに、夢中になっていた。
 すごいちからをこめて、薔のくびすじに噛みつき血液を吸っていた。



 本当に、達する、瞬間をむかえようとしたとき、


 キュッ

 一瞬、ナナの手首に、きつくしがみついて、




「…………あ…っ、」








 薔が、吐息混じりの声を零した。














「うわぁ!スミマセン!いまものすごくエッチな声が聞こえちゃったんで、やめます!」
「……あ?」
 顔をそらしていた薔は、流れるような目つきでナナを見た。


「お前、イったのか?」

「え…………………?」

 またがっていますからね。


「やたら濡れてんぞ?」










 えーと、そうです、寸止めかと思ったら逆に、声のエロさだけでナナはイけたようです。

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