14 : 背筋が凍った 「桜庭さーん!それこっちこっち!」 文化祭で使う機材などを持っていると一緒のクラスの女の子が私を手招きした。 『はーい!』 「ありがとー」 機材を渡すとにっこりと笑ってくれた。なんか、新鮮だな。臨也くんや静雄くんに関わってから女の子達は私に近付かなくなったし…。やっぱり女の子とも話したいんだ。 「桜庭さんってさ、もしかして折原くんと付き合ってる?」 『―――は?』 女の子から云われた言葉に笑顔が引き吊ったのが自分でも解った。ちょっと待ってよ。私と臨也くんが、なんだって? 「桜庭さんと折原くんってよく一緒にいるじゃん。それに今回のことも、折原くん、桜庭さんと一緒じゃないとやらないって云ってたし」 『あ、ははは。有り得ないよ。私みたいのだったら臨也くんに失礼じゃん』 それに私は臨也くんが苦手だし。あ、大嫌いから苦手に昇格。だって友達なのに大嫌いっていうのも申し訳ないし、そもそも私が臨也くんを嫌う理由なんてない。だから、苦手。 「そっか。でも桜庭さんと折原くん、そういう雰囲気出てたよ」 どういう雰囲気!? 「あ、でも気を付けた方がいいよ?私は違うけど、折原くんモテるから。折原くんのことが好きな女の子達が何かする可能性もあるし」 背筋が凍った (―――え、) [しおり/戻る] ×
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