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次の日の朝、家まで迎えに来てくれていた獄寺くんと途中であった山本と一緒に登校すると、
風紀検査で校門前に立っていたヒバリさんにいきなり腕を掴まれた。
怒って止めようとする獄寺くんに、
「大丈夫」と目で合図して、逆らわず応接室に引っ張られていった。
もちろん、逆らわなかったのは自分の身の危険を感じたからだ。
・・・どう見たって、不機嫌だよね・・・。
やっぱり昨日の「いいよ」は告白の返事ではなかったらしい。
ヒバリさんは応接室に入るなり、俺をソファーにぶん投げた。
「ナイスコントロール!」なんて言ってる雰囲気ではない。
ヒバリさんは背もたれに張り付いた俺の上にのしかかり、不機嫌そのものと言った顔を近づけた。
「・・・どういうつもりなの」
「え」
えと、俺なんかしましたか?
すごく命の危険を感じるんですけど!
「何であんな奴らと、朝から一緒なの」
・・・獄寺くんと山本のことですか・・・?
ていうかほとんどいつも一緒ですが。
「昨日僕にあんな事言っておいて、翌日には群れてるってどういうこと!?」
・・・なんか知らんが、物凄い怒ってる。俺昨日、どんなすごい事言ったんだ!?
「・・・あの」
「何」
「俺昨日、ヒバリさんに何言いましたっけ・・・?」
「・・・・・・」
うっわ、応接室ブリザード状態。
目の前に迫る最凶の守護者の変化に一瞬怯んだが、このまま分からない状態じゃ俺の心臓が持たない。
俺は覚悟を決めた。
「実は、覚えてなく・・・てええっ!!」
最後のほうはトンファーの餌食となった俺の叫びだ。覚悟はしていたがやはり痛い。
「帰って」
声の冷たさにはっとしてヒバリさんを見上げた。
その顔は今まで見た事がないくらい悲しそうで、俺はどうしていいのか分からなくなった。
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