■十月十一日


体育祭後の振り替え休日で、今日は学校は休みになっている。
が、風紀委員は前日の後始末に追われて非常に忙しい。
日も沈みかけた頃ようやく一段落したので、冷蔵庫から草壁に用意させていたケーキを取り出し沢田の家に向かった。

沢田は階下にいるようで、部屋の中は真っ暗になっていた。
家族で過ごす時間を邪魔する気はなかったが、顔だけ見ようと一階の窓からそっと中を覗いてみた。
沢田は楽しそうに笑っていた。
その隣にいたのは、いつかのあの野球少年だった。
僕は眉をひそめてその場を離れ、ケーキだけを二階の彼の部屋に置き、立ち去った。



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