八神の場合

 




「なぜだ」



「なにが」



「なぜ俺がこのような位置に甘んじていなければならないのだ」



「だから何が」









貴様の相手は俺しか居ないだろう!










「はぁ…」



「なんだ」



「だって八神うるせえんだもん、コロスコロスって!」



「む」



「たまにはもうちょっと違うこと言えねえの?」



「ふん、貴様に対する想いとしては」



「しては?」



「×××をして泣かせた後に無理矢理○○○をこじ開けて△△△を☆☆するように命令しひいひいしている所を※※※して更に追い立てる如く再度」



「やめんかーい!!!!」



「む」



「唐突に卑猥な言葉をすらすら並べてんじゃねぇよッ」



「ふん、言葉ではなく実行して欲しいという事か」



「それはどんな解釈だっ」








「京…」



ど さ



「、う」





至近距離で
視線が絡み合う





「四の五の言わずに俺の下でだけ鳴いていろ」





逸らす事を許さない
この胸を射抜く瞳





「や、…ぁ」



「…ふ、」




喉をなぞるように
その長い指が肌を撫でる
それだけで





「〜っ!」



「口を閉じるな」





口元にその指を宛がわれて
抵抗なくそれを受け入れる



「ん、にゃ…」



いつも
あっという間に
八神のペースに翻弄されて



「は…」



「京、」



低い声で
名前を呼ばれると
もうどうしようもなくて



「や、がみ、ぃ」



「ふ、いいな」



にやり
満足げに口角を上げる




「縋るその表情、他の奴の前には晒すな」




いつも
無口なのに
こんな時には俺よりも饒舌に




「ぁ、…は」



「京」







何度も
何度も
そう呼ぶ





俺を確認するように
自分に確かめるように





髪を撫でて
頬を撫でて
首を撫でて









また
そう呼んで





「ん、は…やが、み」



俺よりも少し低い体温が
重なって混ざる



「京」








狂おしいほどに

求めて止まないのは

お前だけだ







そう言って

愛おしげに抱きしめる










もう
それを拒む事の無い俺の心は




いつの間にか
八神の毒に




浸蝕
されている













――――――――――――
おわり

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