そこのコンビニまで

「ねぇねぇ」
「何スか?」
「かき氷が食べたいです」
「……あのー、時計見ました?」
「夜の十一時ですね」
「もう寝る前ッスよ。だーめ」
「えー!」
「お腹壊しちゃうでしょーが。この前もやらかしたじゃないッスか」
「だって暑いんだもの!死んじゃう!」
「この程度の暑さで死にゃァしません。大人しく布団にお入んなさい」
「やーだー!」
「仕方ない駄々っ子ッスねぇ……」
「……せめてアイス食べたい」
「せめてにも何にもなってないッスよ。あーぁ」
「?」
「ほら、手ェ出して。行くッスよ」
「どこ?」
「かき氷もアイスも買いませんが。ちょっと夕涼みにでも行きましょ」
「お散歩?」
「ええ。そこのコンビニまで」

(それだけで笑ってくれる君が可愛いから)

そこのコンビニまで
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