俺はお前で、 | ナノ

俺は俺で、 第23話
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「…まさか…お前、関東の血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】やない…か?」

そういったときに同じく倒れている奴も口々に言い始める血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】と、

「NOOOO!!違ッ、いや違くないけど、それ、おまっマジで勘弁しろよ!!!」

さっきまでの冷徹な空気は何処へ行ったのやら、
そこに立っている友哉はただの年相応の少年に見えた。
かなりの勢いで恥ずかしがっている友哉、女装をした時でさえこんなにも恥ずかしがっていは居なかったのに。

「…守本…お前、まさか…血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】やったんか?」

「ダァアアアアア!!その名で呼ぶな!!マジで!俺の黒歴史だからぁああ!!!白石テメッホントマジ言わないで?お願い、ホント。」

「…なぁ白石、血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】ってなんや?」

謙也が純粋にどういうことなのか白石に聞く。
白石は頭を抱えて叫んでいる友哉をしり目に謙也に説明する。

「血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】っちゅーんはな、
喧嘩は機械仕掛けの様な動きで無敗、返り血で赤く染まってもその喧嘩が終わるまで動きを止めないその様はまさに血塗られた喧嘩人形…。
っていう意味があって畏怖の念を持ってつけられたんやけど…他にも殺戮人形【サツリクドール】や暗夜狼鬼【ブラッディケルベロス】、地獄図絵製作者【デッドマップメーカー】って異名があってとりあえず関東最強っちゅー話や。」

「……友哉ってホンマ強いんやな…。」

「関西にまで伝わって来とるし…悔しいけど、そうみたいやな。まさかそんな人がなぁ。」

フムフムと白石の話を聞く謙也。


「そこの言いだしっぺ!!テメェマジふざけんなよ!!俺が消し去りたい過去を引きずり出しやがって!!死にたいのか?他殺志願者か!?ぁあ!?」

「ヒィッ!!?」

最初に言った奴の胸ぐらを掴み上げてメンチをきる。

「友哉ー、もう止めといてやったらどうや?決着はついとるし、無意味やろ。」

謙也が助け船を出す。

「いや、俺のは新しく入った事件だろ?政権交代以外の問題でよ。これからのめすのはその応酬で……。」

「やったら命令すればええやん、次その血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】っちゅーんを言ったらのめすって、」

「………それもそうか。」

そう言って持っていた手を離す。
そして再び謙也と白石が立っていたところに戻って舎弟たちを見下ろした。

「えー、俺はテメェらをのめして権限を謙也からもらった。異論のある奴は俺を殴りに来ーい。」

…………………。

「はい可決ー。」

「おめでとさん。」

「ありがとさん、これで謙也は解放された…と。
あと、俺様からの命令ー、その名で呼んだら次はボコ半な。
ついでに命令ー、タイマンは許すけどリンチによるカツアゲ禁止なー。前科のある三天宝寺クン分かった?」

「っす…。」

「よしOK。
最後の命令ー俺はお前らが知っている通り関東モンだ。だから俺がこの地に居ない間は白石の指示に従うようにー。」

「ハァ!?」

舎弟たちは納得。異論はないようで声は上がらない。
しかし、白石が驚きの声を上げた。
まさか自分にそのような話が回ってくるとは思わなかったのだろう。

「だーって、お前なんだろ?俺がここで暴れる前にこの辺りしめてたのは。」

「そう…やけど。」

「だから俺がここに来る前の状態に戻すだけだ。
お前なら大丈夫だろ。先公達はお前が四天宝寺をしめてることすら知らないっぽいし、今までの様に生活していけばどうってことないだろ。」

「……。」

「なに渋ってんだよ。デメリットはねぇだろ?俺の名前でも締め上げることになるんだ。反乱はそう簡単に起きねぇだろ。」

「……俺は、また過ちを犯すかもしれへんで?」

白石が渋っていた理由はそれにあった。
過去、白石はその大きな力を使って謙也を苦しめていた経験がある。
その謙也は許してくれていて、もう解決はしているのだが白石自身はまだ渦巻いていたものがあったのだろう。

「…大丈夫だって、一回失敗したらもう二度とやんねぇって思うだろ?
その気持ちをずっと忘れなかったら大丈夫だ。
それとも?白石は同じミスを何回でも繰り返すバカだったのか?」

「っな訳ないやろ!!」

「だったらこの話受け入れてくれよ。
俺だってお前なんかに頼るのはちょーっと癪だけど、それしかいい案浮かばねぇし。」

「……分かったわ、受けたるわその話。」

「よっしゃ、これでひと段落ってか?
いいか?お前ら、これは決定事項だ。もしこの結果が気に食わない奴が居たら俺のところまで来い。間違って謙也の所になんか行ったらそんときは…後悔させてやんぜ?」

ニコリと殺気の混ざったものを向けてやれば舎弟たちも大人しく従った。

これで謙也の日常の平和も約束された。





――――――――――
はい、この回でやっと使うことが出来ました。
異名です。
上位4つを使いました!

そして謝罪です。
本当の一位は 「あ、あいつは…!あいつの歩いた後には地獄絵図しか残らないという噂の、魔の破壊神・友哉…!?」なんです。
予想通りと言ったら予想通りだったのですか…ギャグになりすぎて…と、このセリフが長いという事から、二位の異名から使わしていただきました。
一位の異名はまた、この連載で番外編などを書くときにはこちらを代表の異名として使いたいと思っています。

練詠の文章の能力が足りず、使うことが出来なくなってしましましたことを心よりお詫び申し上げます。



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