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「自分それ、何言ってんのか分かっとん?」
「あ?そんまんまの意味だよ。ここの一帯しめてるやつを俺がしめなおして謙也を解放する。」
「友哉…それ嬉しいんやけど、その後どうするつもりや?」
「んー…。ちゃんと考えてあるって、
で、今んとこ何人直属だ?」
「……知らへん。」
「…15人やろ。あとその舎弟が合わせて50人。」
謙也の代わりに白石が答えた。
「50人ちょっとか…骨が折れるが…まぁ、大丈夫だろ。
よし、呼べ!!」
「ちょ、本気なん?」
「本気、本気。今機嫌良いから相手も病院行きにならない程度にのめせるから、今のタイミングが最高。」
「…やったら呼ぶで?」
ケータイを構えた。
「おう!!
で、財前お前は帰れ。」
いきなり友哉が財前に帰れと言いだした。
財前は喧嘩に参加する気満々だったから。
「な、なんでですか!?」
「いーから帰れ、前にも言ったろ?巻き込むって。」
「今回は足手まといになんかなりません!!」
「…俺様の命令が聞けない舎弟なんて俺、要らねぇんだが?」
冷たい目で財前を見据える。
「ッ!!」
財前は謙也と白石を睨みつけてその場を駆け出した。
「…友哉、ええんか?」
「あ?なにが?」
「光をそない無碍にして…。」
「無碍?んなことしてねぇし。
俺、今まで周りにいる奴らは全員敵状態で戦ってきたわけだから近くに仲間なんていたらその仲間にも手をかける、と思う!!
だからよ…謙也も白石も喧嘩中は入ってくんなよ?
あ、やっぱり白石は入ってきていいぞ?ついでに叩いとくから、」
「アホ抜かせ。」
そんな会話をしながら廃墟にて舎弟たちを待つ。
「守本の兄貴!!……!?」
一気に来た舎弟たち、高校生も中学生も居る。
謙也と共にいる友哉の姿を見て驚く。
「な、なんでお前が兄貴と一緒に居んねん!!」
「お?三天宝寺クン、お久しぶりだな。」
一番に声を上げたのは昔友哉が大阪に来て一番に締め上げたやつで、
「なんで…俺のッ!?」
「何でだろうなぁ。」
「で、兄貴!なんで自分らを呼んだんすか?」
友哉の存在はフルシカト、
舎弟たちは謙也に要件を聞く。
「あー、自分らを呼んだんは…俺、友哉にここしめとる権限を移そうか思うて。」
謙也がしどろもどろにここに呼んだ理由を言う。
「「「な!?」」」
「……今、兄貴何て言いました?そいつのこと、友哉って呼びました?」
「あ?俺の名前は守本友哉であってるっつーの。」
「嘘こけ!!」
「いやいや、ホント。」
……ややこしいことになった。
謙也は守本友哉と言う名前で舎弟たちからは認識されていて、
守本友哉は本当は友哉の名前で、
そんな言い争いをしていたらただの大乱闘に勃発しそうになった。
「ちょぉ、自分ら落着き。」
白石が一声かけて言い争いを収める。
白石は謙也の次に力を持っている立ち位置らしく、舎弟たちが一気に静かになった。
「ええか?この脱色メッシュは謙也の兄貴分みたいなもんや。謙也は友哉に憧れとってその名前を名のっとった。
で、謙也は兄貴分がここに来たことによって権限を移したい。そう思ったんや。な?謙也。」
「お、おぉ。」
嘘八百。
しかしこれが一番納得する理由だろう。
「や、やけど!!実力も分からん奴の下に何か俺らは付きとうないで!!」
「あぁ、それが正論だ。
だからわざわざお前ら舎弟を全員集めたんじゃねーか。お前らのめすから来いよ。」
挑発する。
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