俺はお前で、 | ナノ

俺は俺で、 第14話
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※カニバリズム表現?注意



授業も終わって只今昼休み、
昨日と同じように屋上に集まっているテニス部+友哉。

「友哉さん作ってきました!!」

財前が友哉に手作りの弁当を手渡す。

「お、サンキュ。」

弁当を受けとり、膝の上に置く。

「はい、口に合うか分かんないんすけど…。」

「大丈夫、大丈夫、俺好き嫌い無いし。」

パカッと蓋を開けてお弁当とご対面。

「ぅわ、光こんな上手く作れたんやな!!」

「謙也さんに褒められても全然嬉しくないっすわ。」

謙也も弁当を覗き込んでいたようで、友哉よりも早く反応した。
そこにあった弁当はプロが作ったのではないかと錯覚するほどの出来栄えをしたおかずたち。

「おおおおお!!財前、お前すげぇな!!いっただっきまーす!!」

久しぶりに見たまともな料理に友哉はかなり感動したようだ。
目がランランと輝いて、少年の様。

「…ガキか…。」

白石がぼそりと呟いた言葉は友哉に届かなかった。
それだけ友哉のテンションは財前作の弁当に持っていかれいるのだろう。

「あー…ん、ん、ん……ん?」

もぐもぐと動かしていた口を動かさなくなってきた。

「どうしたんや?友哉…?」

「や、なんか…鉄くさい……?」

「鉄?」

「うん、鉄………。」

「なんや、それなんか女子が差し入れてくるやつみたいやんな。」

「は?」

「やから、女子が差し入れてくれる手作りのもんって大体けったいなもん入っとるやろ。」

経験者語る、と言う風に語る白石。

「手作りの差し入れには大体唾やら爪やら髪の毛やら血やら、色々入ってたりするんやでぇ。鉄みたいな味やったら血ぃやな。」

「あ!!やから俺に手作りのもんは押し付けてきたんか!!」

「…それ、呪いじゃね?」

「せやでぇ、良いように言っておまじないや。モテる男は辛いなぁ。」

ドヤァッと言いたげな表情で友哉を見る。

「……そのまま呪われちまえ。
まぁ、これは財前が作って来てくれた奴だから鉄分かなんかのサプリメントでも入れてくれたんだよな!!」

「……光?」

財前がどこか遠くを向いている。

「………すんません、俺の血ぃ入ってるかもしれんっすわ。」

「なんやて!?」

「作っとるときに手首らへん切ってしもうて、…入ってしもうたかもしれんすわー。(棒読み)」

「あぁ、ありがち、ありがち。」

友哉は全く気にせず食を進める。

「ちょい待ち!!友哉も食うのやめぇ!!」

口元に運ぶ箸の動きを強制的に止めた。

「ぁあ?なんだよ謙也、俺が気にしてねぇならいいじゃねーか。」

「気にしぃや!!」

謙也に攻めたてられて仕方なく気にしてみることに。

「……財前、肝炎とかエイズとか持ってっか?」

「いいえ、健康そのものっすわ。」

「だそうだ、問題無いな。」

「気にするところがそこかい!!」

「それ以外に何があるって言うんだ!!」

「普通人の血ぃ食うんか!?食わんやろ!!ぺっしなさい!!ほらぺッ!!」

「ハァ?人の血とか日常茶飯事に口ん中入ってくんだろ。なぁ、白石?」

「あ?あー…せやなぁ。」

白石も少々悩みながらも肯定した。

「は?白石も?」

「喧嘩してるやつは大抵経験あると思うぞ?返り血がこう…ビシャっと……。主に鼻血が、」

「うぇ…。」

「確かに来るなぁ…気ぃつけとんやけど……でも袖で拭い取れば回避できるやん?」

「そんな動作する暇ねぇよ、拭ってたら隙見せちまうじゃねーか。つーわけで俺は顔、特に口元に付いた血は舐めとって吐き捨てる。
あれって人によっちゃぁ肉の味すんだよな!!」

「せやなぁ…。」

喧嘩日常茶飯事組が語ってくれた。

「……俺…当分肉食えへん……。」

そんな財前作の弁当によって昼休みは綺麗に潰れた。

友哉は全く気にしない精神で明日の弁当も作ってくれないか?と財前に頼む。
財前が断るはずも無く、明日も作ってくれるとのこと。



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