(自覚した想い)


部室に行くと、扉の前には全然似ていない私の片割れがいた。

「あ、なまえ!」
『双子姉…?』
「よかった。まだ部活始まってなかったんだ」
『何かあったの?』
「今日お母さんたち帰ってこれないんだって」
『あ、そうなんだ』
「なまえはどうする?」
『…双子姉は?彼氏んち?』
「か、彼氏じゃないよ!」
『はいはい。恋人ね』
「それも違うってば!なまえのいじわる…」
『ごめんって。泊まるの?』
「いい…?」
『いいよ。行っておいで』
「ありがとう!戸締りちゃんとしてね!」
『わかってる。気をつけてね』
「うん!」

そう言って走り去っていった。
小さくなる背中を見送る。

「仲良さげじゃねーか」
『そう見えた?』
「まぁな」
『宮地くんもあれだけ可愛げある方がいいの?』
「あ?ああいうのどう扱っていいのかわかんねー」
『扱うって』
「みょうじみてーに迫力ねーとな」
『だから、それ褒めてないから』
「褒めてるっつーの」
『あー、部活始まる前からなんか気力使い切った』
「ふざけんなよ。これからだろーが」
『わかってるって。宮地くんが癒してくれたらいいのに』
「オレが?逆だろ」
『えー?なんのことー?』
「ったく、早く行くぞ」
『はーい』

予想外だった。
宮地くんと双子姉が会ってしまうなんて。
あぁ見えて双子姉はイケメン好きだからなぁ…。

『(って何考えてんの…。別に宮地くんが好きってわけじゃないのに)』
「何ボーっとしてんだよ」
『わかってるって!いま行くよ!』

宮地くんと双子姉が仲良くなることを考えるだけで胸がモヤモヤする。
こんなことになるのは初めてだ。
これはハイスペックな彼に聞くのが一番なのだろうか。
なんだかんだで彼なら何でも知っていそうな感じがする。

「………ってことでオレっすか?」
『ダメだった?』
「いや、ダメじゃないっすよ!でもオレなまえサンが思ってるほど物知りじゃないんで」
『えー。高尾くんなら何でも知ってそうな感じだったんだけどなぁ』
「なんすかそれ!どっからその考えが出てくんの?!」
『なんとなく?チャラ男だから?』
「チャラ男じゃないです」
『チャラ尾?』
「今それ漢字変えましたよね。高尾の尾と男をかけてないですよね?」
『かけてみました』
「それ全っ然面白くないっすよ」
『だろうね。で、どうなの?』
「まぁオレの予想。恋愛感情から来るもんだと…」
『恋愛?』
「はい」
『誰が?』
「なまえサンが宮地サンに」
『私が?宮地くんに?』
「ですね」
『そっか。…そうだよね…』
「なまえサンってほんとに鈍感っすよねー!」
『それ宮地くんも言ってたんだけど…』
「あれ、宮地サン。そろそろ動き出したんすね」
『?動き出した?』
「や、こっちの話っす。とにかくオレは応援するんで!」
『う、うん』

何故か嬉しそうな高尾くん。
その高尾くんを横目に一生懸命に練習をこなす宮地くんをみた。


((宮地サン。頑張ってくださいよー!))
((なんで嬉しそうにしてたんだろ、高尾くん))


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