骨…?

 
術式は完成し、後は印のみとなった。

2人で同じ印を結ぶと…

瞬身の術を使ったみたいに一瞬で違う景色が目に入ってきた。

―ボフッ…

「きゃっ!?」

「っ、と…」

着地に失敗しかけた俺を鹿丸が抱き抱えて綺麗に着地した。

「有り難う鹿…」

「嗚呼」

床に降ろしてもらい、周りを見渡す。

「………ん〜、異世界って言ったら、異世界だよな…?」

「着てる服は微妙に違うし…」

其の、俺たちが落ちた場所?ってのは何だか会議中だったらしくて、物凄く注目されていた。

「つーか、此処は何処…?」

「あー、俺も今そう思った」

目の前にいる10人以上いる知らない奴らからの視線を受けながら、冷静な言葉。

つか、此奴ら何だ…?
顔とか頭に何か骨みたいなの付いてんじゃん。

え、何。
此処ではそうゆうのが流行ってるとか…?

「君たち、此処へどうやって入ってきたのかな?」

今まで黙っていた其の場にいた中の、茶髪のオールバックしてる男が口を開いた。

「どうやってって、気が付いたら此処に落ちてきたし…なぁ?」

「入ってきたも何も、俺たちはただ術を発動しただけだっつーの」

「テメェらは死神か…?」

「死神…?何其れ」

今喋ったのは水色の髪をした態度デカい奴…。

「煤I」

余所から来た俺と鹿丸は敵だと判断されたっぽく、いきなり馬鹿デカい男1人が動いた。
瞬身の術を使ったかのように、一瞬で…。
そして、俺の後ろに立ち、首に刀をつき付けた。

「何のつもりだ」

「お前らこそ、何の用で此処へ来たんだよ」

其の男は俺に対して殺気を向けてきた。
中々の殺気だな…。

でも、此の殺気…何だか違和感がある…。

「変な殺気…」

「ほぅ、此の霊圧受けても平然としてるとはな…」

「レイアツ…?此の世界では殺気の事そう言うんだ…」

でもさ、其のぐらいどうって事ないし。
此奴、弱いな…。

「其の刀を下ろせ…」

隣にいる鹿丸が静かにそう言った。

「あ?」

だが、鹿丸の言葉を聞こうともしない此の男を哀れみた。

チラリ、と横目で鹿丸を見てみたら、殺気は出してないものの顔がもう既に無表情だ。

知らないぜ…こうなった鹿は…。

「聞こえなかったのか?刀を下ろせと言ったんだ」

「ゴチャゴチャ煩い奴だな…テメェから殺してやろうか?あ?」

「下ろせって言っただろ…?」

―サッ

「煤cっ!」

瞬身の術で瞬時に其の男の後ろへ回った鹿丸は、其の男の首に朱羅をつき付けていた。

あ〜あ、だから言わんこっちゃない。

「っは…早い…」
「何時の間に刀をっ!?」

他の奴らも所詮は同じか…。
鹿丸の早さについていけなかっただけでこうも驚くとは…。

「テメェっ…」

「下ろせ」

「此奴っ!!」

「下ろすんだヤミー」

「藍染さまっ!でもっ!!」

ヤミーと呼ばれたデカい男は藍染とか言うオールバックに睨まれ、息を飲み刀を下ろした。
そして、鹿丸も刀を下ろし、俺の隣へと戻ってきた。

「先程は手荒な事をしてすまなかったね。
私は藍染 惣右介。此の虚夜宮の住人で王に仕える者だよ。
ところで、君たちは一体何者なんだい?」

「俺たちは忍者で、元いた世界じゃトップの実力を持ってる」

「だからあのぐらいの殺気なんて大した事ねぇよ」

俺たちがそう言うと、藍染とか言う男は目を丸くして驚いていた。

「君たちのようなまだ小さい子が…」

「年なんか関係ねぇよ。此の世界だってそうだろ?」

「強いか弱いか、ただ其れだけだ」

「そうだね。まぁ立ち話も何だ、こちらへ来て一緒にお茶でもどうだい?」

会議中?の中俺たち2人も加わり、色々と此の世界について教えてもらった。

俺たちが住んでいた所を此処では現世と呼ぶらしく、とは言っても俺たちの住んでいたのとは全然変わってる場所だった。
此処は虚圏と言う世界の虚夜宮と言う城?
此の部屋にいる白い着物を着てる奴らが十刃って言って、虚夜宮の王に仕える、言わば子分とか部下みたいなもの。

人間が死んだ時、胸に穴が開いていて、其処に鎖が付いていると。
其の鎖が千切れる事で、虚となる。
人に近い程実力も違うそうだ。

此奴ら全員死んでるらしいけど、俺たちって霊感とか全然なかった筈だが…?

まぁ、其れは後にして。

「で、其の王さまはいねぇの?」

「王は今現世にいるよ。
ちょっとした事でも楽しむ方でね…困ったものだよ」

「ふ〜ん」

其の王さまとか言う男が、昔死神とか言う奴らに裏切られたとか。
だから、死神が大嫌いで地獄の底へ落としてやろうとしているみたいだ。

まぁ、いいんじゃね?
俺だって爺と鹿丸以外嫌いだし?

「要するに、其の死神らと争ってる訳ね」

「まぁそうなるかな。
其れで王は死神との繋がりを持つ振りをして遊んでいるよ」

俺と物凄く似てるよね其の人。
仲間の振りしてやってるとか?何か全てがさ。
早く会ってみたいなぁ。

「其の人何時帰ってくんの?」

「さぁ。気紛れだから」

現世って所に行けば会えるんだろうか?

「あ、そうだ。
君たちの名前を聞いてなかったね」

「俺は渦巻 鳴門だ」

「奈良 鹿丸」

「僕は市丸 ギン言います」

狐顔の変な喋り方した奴に

「東仙 要だ」

色黒のゴーグルした奴。
と、挨拶を交わしていると…

「ただいま〜!」

と、何処からともなく声が聞こえたと思うと、いきなり藍染の上からドサリ、と落ちてきた…男。

橙色した髪の毛が特徴的で、此処にいる奴らより体が一回り小さいぐらいの、華奢な体付きをしていた。

「お帰り一護」

「ただいまぁ…ってアレ?」

腕に抱かれながら、其の一護とか呼ばれた男は俺たちの顔を見つめていた。

「お客さん?」

「異世界からのね」

「異世界…?へぇ、まだそんな所があったんだね!」

にっこり笑って話しているが、此奴…結構やるな…。
もしかして、此奴が王とか言う…。

「鳴門くん鹿丸くん、紹介するよ、我らが王の黒崎一護だ」

やっぱり。

「渦巻 鳴門宜しく」

「奈良 鹿丸」

「宜しく。つーかお前ら、強そうだな…v」

一護の目が細められた。
此奴、いい目持ってんね…。

「アンタこそ…v」

何っつーの?
久々に、強い奴を目の前にするとさ、血が騒ぐんだよね…。
手合わせしてみたい、って。

「ダメだよ一護。彼らは客人なんだから」

「鳴も、止めろよ」

藍染と鹿丸に止められて、渋々。
ちぇ、折角手合わせしてもらおうかと思ったのに…。

「で、鳴門と鹿丸?は何で異世界からやって来たの?」

「「つまんなくて」」

鹿丸と同じ言葉だったのに可笑しくて笑ってしまった。

「ん?」

「いや、元いた世界に強い奴がいなくてさ」

「そうそう。偶々見つけた巻物に異国の書ってのがあって、面白そうだったからな」

藍染みたく、一護にも俺らの世界の話をすると、現世には忍者は存在しないらしい。
尸魂界には隠密機動と名のついた暗殺部隊が忍者っぽいとか?

でも、やっぱり忍術は使えないみたい。

「なぁ鳴門!忍者ってやっぱり分身とか作れんのか!?」

キラキラした目で一護が俺たちを見つめていた。

「クス。嗚呼、出来るよ」

「後、変化とか?」

「やって見せて!」

印を組み、鹿丸が一護に変化をして見せた。

「スゲェ!そっくり!」

「此れは驚いたな…」

「一護ちゃんが2人も…」

「其れと分身とか」

次に俺が印を結ぶ。
5体ぐらいだけど、分身して見せる。

また一護の目が輝いた。

「本当スゲェな鳴門たちって!」

「異世界には此れ程興味深いモノがあるなんてね…」

「流石、異世界からきただけはありますわ」

ギンとか言う狐顔の奴が言った其の言葉。
俺たちにだって異世界な此の虚圏は不思議だらけだ。

俺たちと同じ人間がいて、死後の世界で善と悪がいて争ってる。
否、争ってるって言うレベルじゃねぇかもな。

命をかけた、戦い。

其れが此の世界では頻繁に起きてる事が凄く魅力的で、凄く楽しそう…v

「なぁ鹿」

「ん?」

話かけた鹿丸も随分と楽しそうな表情をしていた。

「来てよかったね」

「嗚呼、本当にな」

一護の言う死神ってのを見てみたいし戦いたいし。

本当、楽しめそうだ…v
 

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