牛島選手の追っかけを辞めたい。 | ナノ

番外編



「なあ、友人(影山夢主)さん」
「ん?」
「牛島さんが聞きたいことあるって言ってんすけど」
「え?わたしに?」
「おう」
「わたしでわかることなら、答えるけど...?」

飛空の寝かしつけが終わり飛雄くんとリビングで団欒しているといきなり牛島選手の話をされる。わたしの返事を聞くや否やスマホで電話をかけ出して「今?!」となってるわたしのことはお構いなしでスマホを押し付けてきた。

「も、もしもし?」
「牛島だ。夜遅くにすまない」
「いえ!全然、お力になれるかわからないですが...」

いったい何を聞かれるんだろうか、好奇心より上手く答えれるかの不安が募る。だが、牛島選手の質問はわたしにとっては簡単すぎるものだった。

「なまえの、好きなものを聞きたい」
「なまえって、なまえちゃん?え、わたしの知ってるなまえちゃんですよね?」
「そうだ。あと、なまえには黙っててほしい」

え?この2人って付き合ったり、いや...そんなことになろうもんならなまえちゃんからすぐ連絡くるよな...。とわたしは頭が一瞬で真っ白になるが、なまえちゃんの好きなものを思い浮かべてみる。

「なまえちゃん、お酒が好きです」
「なんでも飲むか?」
「割となんでも飲みますけど...最近はワインにハマってるって言ってました」
「そうか。助かった、感謝する」

そう言って牛島選手との会話が終わり飛雄くんにスマホを返す。

「なまえの話?」
「うん」
「ふぅん」

飛雄くんは聞いてきた割にはあまり興味はなかったようで、スマホをテーブルに雑に置きわたしを抱きしめてくる。なんだか少し不機嫌そうに思えて「どうしたの?」と頭を撫でながら聞いてみる。

「何もねぇ」
「何もねぇ、人の顔じゃないんですけど」

くすくす、と笑いながら頭を意地でも上げない飛雄くんのつむじにキスを落とすと観念したのか顔をあげてわたしにキスを返してくれる。そのまま飛雄くんを捕まえてもう一度「どうしてわたしの格好いい旦那様は機嫌が悪いんですか?」と冗談めかして聞いてみる。飛雄くんはむす、っと唇を尖らせたまま何度も顔の至る所にキスをしてくる。

「友人(影山夢主)さんが楽しそうに電話してて、ちょっと妬いただけ」
「も〜!絶対そうだと思った」
「でも、さすがに俺もこれは恥ずかしい、と思う」
「飛雄くんにもそんな感情あるの?!可愛い〜」
「うるせぇ」

頬をぐりぐりと撫で回すと、飛雄くんが恥ずかしそうに目を逸らして珍しい光景に飛雄くんがあまりにも可愛くてテンションが上がってしまう。

すっかり飛雄くんが可愛くて、なまえちゃんのこと忘れてたけど牛島選手は突然どうしたんだろ。ま、いっか!とわたしは目の前の飛雄くんのことで頭がいっぱいだった。ごめん!なまえちゃん!


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