きっかけはほんの些細なコト。
これで、よかったんだよね?
―ただいつものようにあたしが下界のアラハビカに行ったニケ君を探しに行ったの。
(もぅ〜…ゆう…じゃなくて、ニケ君って何でいっつも黙って行っちゃうんだろう。)
ちょっと怒り気味だったあたしは、視界の隅に入ったトマ君の姿に気づくのが遅かったの。
「あっ!!ククリさん!」
(ニケ君…って言いなれないなぁ。ニケ君はもうあたしのコト、どうでもよくなったのかな…)
―はぁ…。胸が痛いなぁ…。
「…ククリさんってば!!」
「え!?わっ!!トマ君!」
「もぅさっきから呼んでたんですよ!」
「そ、そうだったの。ごめんね!それで何の用事?」
「え、えと、この先で僕のお店のキャンペーンで使うアイテムを作ってまして、すみませんが、ここは通れないので、あっちから回って貰えませんか?」
「そうなの?でもトマ君のアイテム見てみたいなぁ…。」
「ダメですっ!明日のお楽しみですから!」
「………………」
「ククリさん?どうしたんですか?」
「ヒッポロ系ニャポーンのお店の人が空に浮かんでるっ!!!」
「えぇ!!えらいこっちゃ!!」
―くるりっ。
「隙ありっ♪」
「あぁっ!本当にダメですってば、ククリさーん!!」
(えへへ、ニケ君に教わった秘技!お空の秘密第2段[嘘]を役立たせれたわ!)
―いらない知識だった。―
「ふふ〜ん♪…えっ?」
「あぁっ〜…」
角を曲がって、そこで見たのは、トマ君のお店で何やら楽しそうに話しているニケ君とジュジュちゃん。
―ズキ…っ。
「ククリさん…。」
「あ…えと、あ…あたし…。」
―だっ!!
「あっ!!」
(あたし、何、やってるんだろう。こんなことなら、探しに何て来るんじゃなかった!)
――――――――――――――――――
―はぁ、はぁ。
どれくらい走ったんだろう。気がつけば夕暮れであたしはいつの間にか、魔境の大きい木の下に来ていた。
(勇者様ぁ…)
ぽろぽろ…
「あれ?あれれ?」
何だかわかんなくなって、目からいっぱい涙が溢れてきた。
「とまらないっ…」
ぐるぐる〜って色々考えてたら、止まらなくなってきて、ぼっーとしていると、
―ガサガサ
「!?だ、誰??」
「ククリ…」
「勇者様…」
「天界にもいなかったから、探したんだぞ。」
「…………………」
「ククリ、もしかして怒って…る?」
―こくりっ
「う…でもな、ジュジュはお前にベタぼれ(?)だし、別にオレとジュジュがそんなんじゃないってククリも知ってるだろ?」
「それも、そうだけどっ…」
「ククリはいちいち気にしすぎだよ。」
―むっ
「ゆ…ニケ君だっていっつも何にも言わないで出ていっちゃうじゃない!」
「そ、それはだな…」
「…言い訳なんて聞きたくないもんっ!」
「う…、ククリ、あのな?」
「ニケ君なんて、大っ嫌い!」
「………っ」
(あ…)
言ってから気づいた。
ククリ…今、勇者様に…
「あ、…あの」
―ダンっ!!
「……そうかよ。」
「!!!」
「じゃあな。」
(勇者にククリ…ひどいコト言った。)
(勇者様…行っちゃう。)
(でも、今さら…なのかな。)
(どうしよう…。)
きっかけは些細なコト。
でもあたしが大人になれないだけなんだ。
======あとがき========
これまた、なんちゅー中途半端な(^-^;)
ニケとククリの衝突話。
この後にレイドと会う予定だったのですが。
「また、あの声に泣くのかな」と逆に書けば良かったのかな?
謎です;;誰か教えて下さい!
なんせ、頭はぐるぐる状態(笑)
ちょっとだけ修正するかも。
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