※ザンザス妹設定
可愛い可愛い弟のようなツナちゃんの黒曜ランドでの活躍をお父さまことボンゴレ9代目に報告するべく向かったのはイタリア、ボンゴレファミリーのアジト。
さくっと報告を済ませて大好きなお父さまとのお茶もたっぷり楽しんで、ゆっくり休みなさいなんて気遣いまでもらっちゃって私はすっかり気分がよくなっていた。
『それじゃあそろそろお暇するわ、お父さま』
足取り軽やかにドアに向かう私の行く先がこのアジトにあるメルヘンに飾られた自室でないことを感じ取っているからか、お父さまは少し悲しい声色で私を呼び止めた。
「ここにいるのはつらいかい」
ぴたりと足を止めて振り向けば案の定暗い顔をしたお父さま。
ああもう、そんな顔をさせたいわけじゃないのよ、ごめんなさい。
私、ツナちゃんもお父さまも大好きだし、とっても愛しているわ。だけど一番じゃないの、どれだけ好きでも愛していても、どこか認められない気持ちがあるの。
『向こうで過ごした時間が長いから、向こうのほうが落ち着くだけよ』
こんなの嘘だってバレバレだけど、お父さまはそうかと笑ってゆっくりお休みと手を振った。
ごめんなさい、ごめんなさいね。心のなかで何度も何度も呟いて、私はアジトを出た。
だって仕方がないのよ、ずっと前から決まっているんだもの。私の帰る場所は、兄さまや仲間たちと過ごした愛しい我が家、ヴァリアー本部だけなんだって。
傷は拭えないtitle by
愛執
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