テニプリ短編 | ナノ


  【跡部成り代わり】僕の名前は


「俺様の美技に酔いな!!」



恥ずかしいです。
できるならば言いたくありません。



そう。
俺様…僕は跡部景吾じゃない。





++跡部景吾成り代わり++




僕は高校の部活の全国大会の後、交通事故で死んだ。





…はずでした。







目が覚めたら、ぷにぷにと柔らかい紅葉みたいな自分の手。
喋ろうとしても呻くような声が出るだけ。
体が起こせない。



わあ。
前世の記憶持ったまま転生しちゃった感じですか





…と、転生したならばまだしも


「おぉ、目が覚めたか〜??」
「あー?(誰ですか?)」
「パパだぞ〜景吾〜」


いないいないばぁ〜と百面相をするパパ(仮)
イケメンが台なしですよ。


…"けいご"
それが僕の名前ですか。



そういやテニプリにも景吾っていたっけな…懐かしい限りです。
たしか…跡部景吾、でしたっけ。


「跡部さん、お静かに。奥さんもまだ眠っていらっしゃいます」
「あ、すみません」



!?



あ と べ !?




「あぅうー(マジですか〜)」




それから15年
僕は"跡部景吾"を演じてきた。

あ、ちなみに15歳までの思い出話は省略です。
理由は、オ〇ツとか、〇ムツとか、オム〇とか。


そんな僕の日常を語ろうと思う。





若い執事さんが車で学校まで送ってくれた。

"いつもいつもありがとうございます"

と頭を下げると、かなり感動した顔で

"…っ、俺!! 景吾坊ちゃんを愛して"
"自重しろ。すみません景吾坊ちゃん、いってらっしゃいませ"
"…はい"

という会話があった。

うん。
いつもありがとう。
僕も君達が好きです。


「きゃあぁぁあぁあっっ」
「Σ(゜∀゜;ノ)ノ」


ビックリした…


「今日も麗しいお姿ねっ」
「朝早いというのに…あの凛々しい顔…!!」


いやいやいやいや
僕そんなんじゃありませんから。


「おはようさん、跡部」
「Σお、忍足か。おはよう」
「? 珍しいな。ビックリさせてもうた?」
「いや…」


えっと、こういう時、跡部なら…


「今日はどいつをぶちのめそうか考えていた所だ」


と無駄にかっこよく言ってみる。
人は騙されやすいものだ。


「きゃあぁぁあぁあっっ」


しかし…


「何故お前も叫ぶ、忍足」








「跡部様、よろしかったらこのクッキーを…!!」
「跡部様、私のケーキを…!!」
「跡部様、私のマフィンを…!!」
「「「受け取って下さいませ〜!!!!!」」」


((((((((゜∀゜;ノ)ノ


「引くなよ跡部」
「引いてねぇよ」


と言いながら、しっかり受け取る僕←
食費が浮きますね←





「うおー跡部の弁当いつ見ても美味そー」


本当ですか?
実はこれ僕が作ったんですよ


「好きなだけ喰いやがれ!!」
「わーい!!」


全部食べられるのがオチです。





放課後

「なー跡部ータンホイザーサーブ打ってー」
「Σえ、」
「え?」
「仕方ねぇな打ってやるよ(早口)」


僕にそんなことができると思いますか←


無駄にインサイトポーズしてみたり
「見えるぜ…お前の死角がな!!」
とか言ってみたりしてますけど見えたことは一度もありません。
ぶっちゃけテキトーに打ってます。


だってどうやるのか分からない(´・ω・`)←


打ち返されちゃったら
「ふん、やるじゃねーの」
って言えばいいだけのことです。


よし
たんほいざーさーぶ(?)打ちます


「タンホイザーサーブ!!」


あ、できた










「落ち着く…」


僕の部屋は狭い。
だって広いと落ち着かないですし。

高級なものも一切置いていません。
壊すの怖いからですね。















こうして"跡部景吾"は生きている



あぁ、最後に僕の名前を教えておきましょう





僕の名前は――――





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