岩ちゃんが烏野で妖退治する話 | ナノ


  2 修行よりも大事なこと


「岩ちゃんが……烏野に……」



昨日から俺の頭の中にはそれしかなかった。
岩ちゃんの携帯は相変わらず繋がらない。

何で……?
どうして烏野に行っちゃったの……?
俺達、約束したよね……?


"岩ちゃん!高校でも一緒にウシワカちゃん倒して全国行くよ!"

"……おう"


あの言葉は嘘だったの?
ねえ、岩ちゃん……


俺は持っていたって意味のない携帯を握りしめた。



「おーい及川くんー」

「部活一緒に行かねー?」



ハッと顔を上げると、教室の出入り口から部活仲間のマッキーとまっつんが顔を覗かせていた。
もう、放課後なのか。



「ごめん今行く……」



"そこに岩ちゃんはいないのに?"



誰かの声が聞こえて、足が止まる。

……当たり前じゃん。
だって……岩ちゃんは今、烏野にいるんだから……




ここに、岩ちゃんは いない




「……ごめんマッキー、まっつん。俺、今日部活休む」









「はーじめー」

「おー菅原。ちょっと待ってろ今行く」



急いで荷物をまとめて菅原に駆け寄る。まだ慣れないが、これから部活の時間だ。
夜の仕事もあるから部活に入ろうか迷ったのだが、菅原もやると言うし、体力や集中力を鍛えられるので、バレーは続けることにした。



「お前さぁ携帯どうしたの?」

「携帯?ああ……無くした」

「無くしたぁ!?いつ?どこで?」

「あー、春休みに山で修行してたあたりから無いから、多分その時……」

「早く言えよ!今日連絡できなくてすごく困ったんだから」

「わりぃ」



そろそろ解約しておかないとなー……新しいの買うか。



「で、連絡ってのは?」

「今言っても仕方ないんだけど……今日占いで厄日だったからさ。部活で遅くなるかもだし、一応 "一式" 持って来いよって言おうとしたんだよ」



菅原の言う "一式" というのは多分、天穴とか、衣とかの一式だろう。



「ああ、それならすぐに取りに行けるし」

「あ、家すぐ近くだっけ?」

「おう。徒歩5分圏内の場所に借りたからな」

「そっか。なら良かった」



例年なら部屋を借りなくてもいいのだが、今年は岩泉家二十代目頭首である俺の祖父と俺の父が烏森のある関東近郊に仕事に行くそうなので、俺は今烏野近くのアパートで一人暮らしをしている。
一人暮らしは大変だけど、何かあればすぐ烏野に行けるし、近くの山で修行できるし、とても気に入っている。



「にしても厄日かー嫌な予感しかしねぇ」

「だからね。なーんかすごい奴が近付いて来てる気もするし……」

「すごい奴?」

「ほら、たまにいるじゃん、"スーパーホイホイ"!烏野に用事がある人じゃありませんようにー」



スーパーホイホイ。
妖をゴ〇ブリホイホイのようにくっつけて集めてしまう体質の持ち主のことだ。
具体的に言うと、昔から妖集めて具合悪くなったりしてた及川とかがホイホイだな。

あとは及川ほどではないけど東峰とかよく取り憑かれたりしてる。
澤村はホイホイだけど取り憑かれたりはしないんだよなー
やっぱり気迫の問題なのか。



「……」



何となく、空を見上げた。

……今頃あの青い空みてぇな色のジャージ着て練習してんだろうな……


……及川、か。



「……まさか、な」









青城からバスを乗り継いで30分。



「……着いた」



宮城県立烏野高校。


県立だからウチよりはかなりぼろっちい。けど、



「……ここに、岩ちゃんがいるんだ」



バスに乗っている間考えていた。
岩ちゃんが青城に来れなかった理由。

青城の制服が気に入らなかった?
青城は遠かった?

俺のことが嫌いになった?
バレーが嫌いになった?

……違う。そんなことで岩ちゃんはこんなことしない。
何かもっと別な……こうしなきゃならない、岩ちゃんには拒否できない、特別な理由があったんだ。

例えば……私立はお金かかるから県立にしろって親に言われた……とか?



「……」



結局しっくりくる理由付けは見つからなかったけど、岩ちゃんが虐げられているのかもしれないことに変わりはない。

待ってて岩ちゃん。
今迎えに行くから。



一歩。



烏野の地へ足を踏み入れた。









「おっす澤村東峰ー」

「おっすおっす。早いなー」

「おー岩泉に菅原」

「おっす。ウチの担任ホームルーム早いからな」



部活開始30分前。
入ったばかりの1年生である俺らは、先輩が来るまでにネットを張り終えたりボールを準備したりしなければならない為、クラスの掃除が終わり次第ダッシュで部室に駆け込む。
1年は俺、菅原、澤村、東峰の4人しかいないから割と大変だ。



「急いで着替えるな!」

「はは、焦んなくていいって」



既にジャージに着替え終わる寸前の澤村と東峰は笑って、慌てる俺らを見た。



「お前ら本当仲良いよなー」

「んーまぁ幼なじみみたいなもんだし」



そういうの憧れるなーと東峰がのほほんと呟く。

幼なじみ……か。



「……辛いこともあるけど、な」

「……はじめ?」



無意識に呟いてしまった言葉にハッとして、気にするなと菅原に言おうとした




その時だった。




「「!!」」



菅原も、珍しく俺もはっきりわかる…… "気配"

……感じたことのある、この気配は……



「あちゃー入っちゃったよ……超ホイホイ……」

「……菅原、先に謝っとくわ。わりぃ……多分、俺のせいだ」

「え?」



俺は着替えかけだったジャージをバサリと着た。



「東峰、澤村。俺らちょっと用事思い出したから先に行っててくれ」

「ん?おう、わかった」

「部活開始までには終わらせられるよう頑張るけど、来なかったら遅れるって先輩に言っててくれないか」

「了解。早く戻って来いよ」

「おう」
「わりぃな」



澤村と東峰が部室を出て行った後、菅原は天穴を白い布を巻き付けたまま持ち、俺はそのまま部室を飛び出した。

目的地は……裏門。









「何か気持ち悪い……」



烏野に入って数分。
何だか空気が悪いし身体も重くなってきた……

この感覚は何度か体験したことがある。
でもその時はいつも岩ちゃんが頭をぽんぽんと叩いてくれて……不思議と、それで良くなってた。

岩ちゃんどこ……?
部活中だったら、体育館かな……?


早く、会いたいよ



「ぅぁ……」



ズシッと頭が重くなる。

……何……?
こんなに重くなるのは初めてだ。

ふと、自分の影が視界に入った。



「っ!?」



俺の頭に、何かがいる……
肩にも、足にも、腕にも……


胃から何かが逆流してくるような感覚がした。
一気に血の気が引いていくのがわかる。

そんな間にも、ズンズンと重さは増していって、俺は思わず膝をついてしまった。


駄目だよ岩ちゃん、こんな所に居ちゃ……
早くここから出ようよ……



「岩ちゃん……」









裏門に行くまでにも、小さな妖が裏門に向かっていったので滅しながら走った。



「この分だと……かなり出てきてるかもしれねぇな」

「だね……天穴持ってきてて良かったぁ……」



裏門に着くと、大量の低級妖、中級妖が出現していた。



「結!結!」



及川……居るんだろ、及川!




『はじめちゃぁん……』

『うおっ!?どうしたんだよとおる……』

『なんかからだがうごかなくて……ぐずっ』

『ああああなくな!ちょっとめぇつぶってろ!』

『んっ』


ぽんぽん……


『ほら、どうだ?』

『……!うごく!!』

『そうか!よかった』

『ありがとうはじめちゃん!はじめちゃんはおれのヒーローだね!』




「っ及川ああああーっ!!!!」



どこだ、どこにいる……っ!?
及川……っ 返事しろ……!



「はじめ!妖の後を追うんだ!」

「!っわかった!」



何かを察した菅原が指示を出してくれる。俺は低級妖一匹を残して全てを滅し、その後を追った。









頬に冷たいコンクリートの感触がする。
身体はもう重くて動かない。体重が10倍くらいになったような感覚だ。

必死に瞼を開けるが、目の前は真っ暗。


ああ……俺、死ぬのかな……?

死ぬ前に、せめて岩ちゃんに会いたかった。
飛雄と勝負したかった。
ウシワカちゃんを倒したかった。
全国に行きたかった。

ああ……何かやり残したことだらけだな……
でも……何だかもう、瞼を開ける気力も無いや……



「岩……ちゃ……」



ここは危ないよ……
俺が死んだ後、烏野なんて早く出て行ってね……


急激に意識が遠退く。

これって何死かな?
圧死?怪死?突然死?
あはは、もうちょっとマシな死に方したかった、な……



「及川っ!!」









低級妖を追いかけてたどり着いた場所には、妖の山があった。

あの下敷きになってんのか!?

慌てて手づかみでベリベリと妖を剥がしていく。菅原も反対側から同じように妖を剥がす。
及川……無事でいてくれ!

しかし剥がしている間にも寄ってくる妖は増えていき、キリが無いので俺は妖の山の中に手を突っ込んだ。
ぐりぐりと中に手を進めていく。



「!」



妖ではない何か布のような感触が指先を掠めた時、俺はそれを力いっぱい引き上げた。



「菅原!魔よけの札!」

「用意してある!」



妖が多く、重すぎて及川の右腕しか出てこなかったが、充分だ。



「頼む!」

「わかった!……凶悪を断却し、不詳を祓除、災厄を打ち祓え!」



パシッと菅原が魔除けの札を及川の右腕に貼った瞬間、及川に憑いていた妖が弾け飛んだ。
……相変わらずすごい威力だ。

そして、屍のようになった及川が姿を現した。



「っ及川!おい及川!!」



ペシペシと頬を叩く。
……反応はない。



「それが例の "及川" か」

「菅原!及川が動かない!」

「はいはい落ち着いて。ちゃんと生きてるから」



ほら、と俺に及川の手首を握らせる菅原。
……トクトクと、弱々しい鼓動が、手を伝わってきた。



「よ……良かった……」

「……ただ、妖にかなり体力奪われたみたいだね……」



うーん、と菅原が悩む。



「……とりあえず、俺は及川の治療するから、俺と及川結界で囲って」

「わかった。結!」

「天穴貸すから、はじめは残った妖を退治してきて。裏門の方に五匹と、駐輪場近くのでっかい桜の木の下に二匹いる」

「……わかった。頼んだぞ」

「任せとけ」









夢を見ていた。
あれは……去年だろうか。
飛雄がいたから、多分去年だ。



『及川さんサーブ教えてください』

『べーっやなこった!』

『おとなげねぇぞ及川……ああ、影山』

『はい!何ですか岩泉さん!』

『及川と二人きりで練習はするなよ。……こいつ何するかわかんねえから』

『ちょっと岩ちゃんどゆこと』

『?わかりました!』

『ちょっと飛雄何で岩ちゃんにはそんなに素直なのさ!』

『え、及川さんサーブ教えてくれるんですか!?』

『そんなこと一言も言ってないよ!!』



そっか……あれは岩ちゃんなりの注意勧告だったんだ。



『あ、及川さんサーブ……』

『だから教えないって言って……っ!』

『?及川さん?』

『っ来る、な!!』



飛雄と二人きりの体育館。
飛雄が近付く度に重くなる身体。

……本当に、俺と飛雄は二人きりになっちゃいけなかったんだ。



『飛雄……っ岩ちゃん、呼んで来て……っ!』

『わ、わかりました!』



今思えば、飛雄も "そういう体質" だったんだ。……本人に特に影響はないみたいだけど。



『どうした及川……及川!?』

『岩ちゃん……肩が重い……』

『わかった。目瞑ってろ』




岩ちゃん……








ふ、と目を開ける。
目の前には見知らぬ銀髪くんがいた。



「お、起きたか。何か身体に変なとことかない?」

「……え」



あれ?俺死んだんじゃ……
てことはこの銀髪くんあの世への迎え?
でも黒いジャージ着てるし……



「だ、れ……?」

「俺は菅原孝支。お前、何が起きたか覚えてる?ここがどこだかわかる?」



熱ないかなーと額にあてがわれた菅原くんの手は冷たくて気持ち良かった。
思わず自分の手を見て握ったり開いたりしてみたり、自分の身体があるかどうか触ってみた。



「……俺、生きてる……?」

「生きてるよ」



その言葉を聞いた瞬間、何かが鼻をツンと駆け抜け、目の前がぼやけてきた。


ああ……俺、生きてるんだ



「あああ泣くな泣くな!怖かっただろうけど、今はじめが来るからな!」

「岩、ちゃん……」



そうだ、俺 岩ちゃんに会いに烏野に来たんだ。



「身体なんともない?」

「……うん」

「良かった。……大丈夫、もうお前を襲う奴はお前に近付けないから安心しろ」



その言葉にふと周りを見渡した。
……なんか四角いもので囲まれてる。
そして その向こうに



「ひっ……?!」



何か、白いモノがいた。
小さくて……動いてる……



「えっお前あれ見えるの?」

「え、う、うん……」

「マジかよ!聞いてた話と違うじゃん!……あ、その白いのは害はないから大丈夫。はじめの式だから」

「式……?」

「……あー、後は、はじめが戻ってから、な?」

「……わかった」









思ったより時間くっちまった……

俺は全速力で及川のいる場所へ走っていた。
焦っていたからか、なかなか一発で仕留めることができなかったのだ。
クソッ……修行が足りねぇな……

角を曲がると、俺の結界の中で話す菅原と及川が見えた。
良かった、目が覚めたのか。



「解!」



結界を解くと同時に、置いていった式も紙に戻す。



「遅かったじゃんはじめ」

「わり。天穴さんきゅ」

「どういたしまして」



天穴を菅原に渡すと、呆然と俺を見上げる及川と目が合った。
どすんと俺は及川の前にしゃがんで、及川の頭をいつものようにぽんぽんと叩いた。



「……痛い所とかないか?」

「……うん」

「そうか……」



俺は及川の頭から手を退け、立ち上がろうとしたが、その前に及川は俺の手を掴んだ。



「……岩ちゃん。どうして青城に来なかったの?」

「……わりぃ」

「謝って欲しかったわけじゃないよ……ただ、納得できなかったんだ……ね、何か理由があったんだよね……?」

「……」

「……俺には、言えない?」

「……」



体力がまだ戻っていないのか、気力のない声で聞いてくる及川。
……もう、嘘はつきたくなかった。
でも、……



「あーはじめ、ちょっといい?」

「……何だよ」

「そいつ、さ……見えてるみたい、なんだよね」

「……は!?」



見えてる……!?!?
妖が!?!?



「おま……っ俺が気をつけてたのに!何で見えるようになってんだよ!!」

「え、え?」

「ほら、ここ烏野だし……及川みたいな超ホイホイだったらそういうこともありえるんじゃない?」

「マジかよ……」



はぁ、とため息をついて俺は座り込んだ。
……もう、全部話すしかねぇじゃん……



「あー及川。全部話すから……とりあえず聞いてくれるか?」

「……うん」



信じてくれないかもしれないし、引くかもしれない。
でも俺は……嘘をつくのに疲れた。











「……何となく、わかった」

「本当かよ?」

「うん……そうしたら、昔のあれだって説明がつくし……」



及川はもう何となく察していた様子で、俺の話を聞いてくれた。
俺が妖を退治していることも、烏野に来た理由も、全部話した。



「でも何で烏野に行くこと黙ってたのさ」

「う……それは、本当、わりぃ……」

「明日から青城生だねーとか言ってた俺が馬鹿みたいじゃん」

「だってお前俺の話聞かずに青城青城って話進めるからどんどん言いにくくなったんだよ!わりぃか!」

「携帯だって連絡つかないし家にもいないし!」

「携帯は落とした!家は今だけ全員外出中だ!」

「何で喧嘩腰になるの!?」



ストップストップ、と菅原が俺と及川の間に入る。
クソ……悪いのは俺だけどいつもの癖で殴りたくなってきた……



「まず黙ってたはじめが悪い」

「……だから謝ってっぺ?」

「ちゃんと謝れ」

「……ごめんなさい」

「及川も、事情理解してくれたなら、許してやってくれないか?」

「……許してやらなくもない」



殴りてえ。



「はぁ……じゃあもうとにかく、及川が烏野にいるのは危険だからさ、及川は帰ろうか」

「え……」

「当たり前だ。今は菅原の魔除けの札貼ってるから大丈夫だが、お前もう烏野に来んなよ」

「ええっ!」

「俺に会いたくなったら、俺がお前のとこ行ってやるから」

「……岩ちゃん……!!」



岩ちゃん岩ちゃんと俺の腰に抱き着く及川を無理矢理剥がし、菅原に魔除けの札何枚かないか、と聞いた。



「あと三枚くらいあるよ」

「じゃあそれ及川に持たせてくんね?」

「え、菅原くんのお手製なの?」

「菅原の札はめちゃめちゃ効くんだぞ。ありがたく思え」

「岩ちゃんのはないの?」

「は?」



札なんて普通の結界師は作らない。
まじないオタクの菅原が変わっているだけだ。



「俺作ったことねぇし」

「ええーっ」

「文句言うな」

「あ、じゃあ一緒に式紙入れたらいいよ」



小さなお守り型の袋にせっせと自分の魔除けの札を入れていた菅原が ナイスアイディア自分!と言わんばかりの笑顔で俺の式紙を指差した。
……まあ、式紙くらいならいいか。



「ほらよ」

「やったー!菅原くんもありがとう!」

「いえいえ」



菅原の魔除けの札と俺の式紙が入ったお守りを受け取ると、及川は嬉しそうに握りしめた。



「肌に離さず大事にするね!」

「当たり前だ。持ち歩かないと効果ないからな」









一歩 烏野の地を出ると、空気の悪さが一瞬で無くなった。

後ろを振り向くと、見送りに来てくれた二人がいた。



「菅原くん本当にありがとうね」

「どういたしまして。気をつけて帰れよ」

「うん」



岩ちゃんのことを はじめ って呼ぶ菅原くんはちょっと気に入らないけど……



「じゃあ、またね岩ちゃん」

「おう。真っ直ぐ帰れよ」



とりあえず。

岩ちゃんが元気でいれば、それでいいんだ。











「やっといなくなったか……」

「厄日ってすごいね……」

「……今日はまだまだ続くぞ」

「……おっす」



数十分前の騒がしさはどこへやら……静寂を取り戻した烏野。
……迂闊だった。今回は俺の責任だ。
修行以外にも、大事なことがあったのに……。

ガッと自分の額を掴む。



「はじめ?」

「……今日は本当悪かった」

「……全くだよ」



ぽんぽんと菅原が俺の頭を叩く。



「はじめは何でも頑張りすぎ。たまには俺にも頼ってね?……相棒なんだし」

「……そうするよ」



俺はこんなにも皆に愛されてたんだな……
俺にはもったいないくらいだ。


……あれ、何か忘れてるような



「あ゙っ部活!!」

「ああああっやべえ!!!走るぞ!!」

「おう!!」



とりあえず



頭が丸いあの超ホイホイの後輩が烏野に進学して来ませんように……っ!

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