2 舞い降りてきた天使
それは任務を終え、寮に帰る途中の出来事だった。
(…なんだアレ)
夜空から、あたたかい光がゆっくり落ちてきた。
傍に寄って見ると、それは光に包まれた人間だということがわかった。
しかも、その人間には天使のような羽根があった。
その人間が地面に降りる直前に羽根は散り、クッション代わりになって、その人間が着地するのをかばった。
(――……こいつ、女……)
その人間は同い年くらいの女の子だった。
*
『…私を、ここまで運んでくれたんですね。ありがとうございました』
…そうか、あの後…私…
【あなたは生きて】
【生きて、守るべきものを守るんだ】
お母さん…お父さん…
…私は、学園を救うために来たんだ。
救わなければ、私が来た意味がない。
「で、お前は何者」
『いろいろとお世話になりましたではっ!!』「
待て。窓からどこへ行く気だ」
『先生たちのところ〜じゃあね!』
「! ここは3階だ……」
私は『羽根のアリス』を使って空を飛んだ。
とりあえず、入学しなきゃね!
*
あいつ…藍原紗那は、天使のような白い羽根を出し、空を飛んでいった。
あれがアリスか?
でもさっきは治癒を使っていた…
…にしてもあいつ、寝ている時に泣いていたり、起きたと思ったら急に真剣な顔になったり、ヘラヘラしやがったり…本物の顔はどれだ?
「何者だよ…」
俺はどうしてあいつのことが気になるんだ?
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