ひだまり日記 | ナノ


  52 決断


俺は、玲生先輩がいるであろう放送室へ向かった。


決断だ。


「れおせんぱい!!!!!」
「!! 光…!!」


肩で息をしながらも、俺は必死に訴えた。


「なに…っ してはるんスか…!!!!」


俺が出した決断――それは、説得だった。

学園を守りたいという気持ちの反面、玲生先輩との絆を捨てたくなかった。


「おれ…っ、この学園がなかったら、れおせんぱいに、会うことなんてなかった!! だから、今では少し、この学園に感謝してるんスわ…っ」


先輩の瞳が、わずかに揺れた。


「光……お前は、どうしてそこまでしてこの学園を守る? どうしてそこまで執着する?」
「、PFの、メンバーやからに、決まっとるやないスか!! せんぱいやって、PFのメンバーやろ!?」


そう言うと、玲生先輩は ハッと笑って、冷徹な瞳で俺を見てきた。



俺は反アリス学園組織の一員だ



衝撃だった。
先輩が、反学園組織…?


「俺はお前を裏切ったんだよ!! 敵なんだよ!! お前はもう、俺と関わってはいけないんだよ!!」
「……せん、ぱい……」


先輩の瞳は、冷たい言葉とは反対に 悲しい色をしていた。

当時幼かった俺は、そんなことには気付かなかった。


「俺は、お前の敵だ。俺が、お前を殺してしまう前に、早く、どこかへ行け」
「せ……ん、ぱい。お、れ……っ」


寝ろ!!


!! …ぁ、」


急速に体が重くなる。
制御ピアスを取った先輩の生声を聞いてしまったからだ。
いくら耐性があるとはいえ、これにはもう耐えられない。

でも、最後に伝えたい…伝えなければならない言葉があるんだ。


「おれ…れおせんぱい…を、信、じて…ま……」


俺の意識はそこで途絶えた。

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