27 仁王雅治[真田side]
[真田side]
「仁王!! いるのだろう!! お前は何者だ!!」
物は試し。
俺は上に向かって叫んだ。
しかし――
「……駄目か」
何も返ってこない。
やはり無駄だったか……
「……相変わらずバカでかい声じゃのう」
「っ!!」
声のした方を向くと、壁の上に仁王が頬杖をついて座っていた。
「……仁王」
「何者か、と言っとったな……」
仁王はスッと俺の前に下りた。
そして俺に背を向けてゆっくりと歩き出す。
「仁王雅治。中等部B組。テニス部 立海チーム所属。血液型AB型。利き腕は左。誕生日は12月4日の射手座。好きな色は――」
「仁王、俺はそういうことを聞いているのでは……」
振り返った仁王は ニヤリと笑い、また壁の上へ身軽にジャンプした。
「アリスは、全身変形と……
実現幻覚」
「!!」
「能力別クラスは……
危力系」
(補足:実現幻覚のアリスとは
幻覚のアリスとは違い、幻覚を実体化できるアリスです)
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