17 そろそろ[柳side]
[柳side]
「せーんーぱーいーいつまで歩くんスかぁ!!」
「? もう少しのはずなんだけど……」
柳だ。
こちら立海チーム。
……かれこれ1時間程は歩いている。
俺の予想では30分程で中等部に着くはずだったのだが…
それに、学園にこのような道はあったのか…?
…何だ、この胸騒ぎは。
「柳、どうかした?」
「……いや」
ザッ……「、仁王くん?」
「仁王?」
後ろの方にいた仁王が、無言で前に出てきた。
…何だ?
「…そろそろ、かのぅ……」
「? 仁王?」
「ククッ…スマンが、ちいと足止めさせてもらうやき……」
「っ、どういう意味だ」
幸村が仁王の肩を掴もうと、仁王に小走りで近づいた。
しかし、幸村が仁王のもとへ着くより早く、仁王が利き手である左腕を挙げた。
「なあに、危害は加えん。ただ、時間を稼ぐだけじゃけん」
パチン………「っ!?」
――何が、起こった…?
…仁王が指を鳴らした途端に、一瞬で周りの風景が変わった。
一列に並んでいる木の間を歩いていたはずだが…
一緒にいたはずの仲間はいなくなり、俺の周りには白い壁だけが連なっていた。
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