[主人公side]


ハイ、紗那です。
歩き始めてかれこれ３０分。
未だに初等部に着きません。


『…不二先輩』
「もうすぐだよ」
『さっきからそればっかじゃないですか』


むっと膨れっ面をすると、前を歩いていた手塚先輩が突然立ち止まった。

それにつられて手塚先輩の後ろを歩いていた不二先輩以外の皆も足を止めた。











「不二。何を隠している」















…え?
……隠している?











「……フッ……ッハハハハハ!!! 何言ってるんだい手塚」
「ハハッそうっすよ! 手塚……先……輩………?」


手塚先輩が不二先輩を相変わらずのポーカーフェイスでじっと見つめる。


「…」
「…」







不二先輩の笑顔が、すっと消えた。






ビュ…















『っ!! ぁ……っ』
「っ!!」
「紗那!! 手塚!!」






―――何?

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