メルヘンゲット同盟 〜内緒〜




メルヘンゲット同盟 〜内緒〜



昼休みの教室でのこと。

はぁ……

机に突っ伏して、誰にもばれないようにため息をつく。

仲良くなったとは思うんだけどなー。なんかヒナタのやつ、すぐ逃げんだよなー。

クリスマスまであと数日。

周りはすっかりクリスマス一色だってばよ。

便乗する訳じゃねぇけど、このまま冴えねぇのもイヤだしなー。

いっそ、告っちまうか?

いやいやいや、逃げられるのがオチだってばよ。

はぁ……。

「……ルト、ナルト!」

「……んー、いのか……。何か用かってばよ。」

「あんたに良い話があるのよ。」

パサッと紙を出すいの。

「遊園地の無料券。これで、サスケ君とシカマルを誘い出してほしいの。」

「……それのどこが、俺に良い話なんだってばよ。」

「こっちのメンバーは、私とサクラとヒナタよ。」

『ピクッ』

一瞬、甘い夢を見るが、すぐに現実に戻って思い直す。

「でもヒナタ、俺が居ると逃げるよな。」

「ふふん、いの様に任せなさい♪そこは抜かりないわ。ヒナタは私達と『クリスマスのメルヘンゲット同盟』を結んでるの。」

「……意味がわからねぇ。」

「同盟の内容は、私がシカマルと、サクラがサスケ君と二人きりになって、告白するのよ。そうなると、あんた達は自然と二人きりになれるわ。同盟のおかげで、合流する心配もない。(ヒナタがあんた狙いなのは内緒よ)」

「……マジかってばよ。」

「えぇ。そこで、真のメルヘンゲット同盟に誘いたいのがあんたって訳よ。」

「な、何で俺!?」

「あんた、ばれないとでも思ってたの?ヒナタ狙いなのに気付いてないのは、ヒナタくらいなものよー。」

「……クッ、そうなのかってばよ……。」

「あんたが協力してくれると、助かるのよー。どう、私達と組まない?」

「おぅ、やってやろうじゃねぇの!このまま冴えねぇのはごめんだってばよ!!」



__________




いのの言う通り、ヒナタは俺から逃げる様子がねぇ。

しかも、遊園地で二人きりとは、どこまで気が利いたシチュエーションなんだってばよ!!!

サスケとサクラちゃんから離れるために買ったポップコーンは、どうでもいい!

バリボリとポップコーンを貪り、これからどうすっかと考える。

「フフッ。」

「ん?どうしたってばよ、ヒナタ。」

「あ、笑ってごめんね。ナルト君、相当お腹空いてたんだね。」

それ、と手元のポップコーンの入れ物を指差され、いつの間にか空になってるのに気付く。

やべぇ!考えに夢中で、全部食っちまった!!!

こういう時、普通二人で分けっこして、少し距離が縮まり……ってもんだってばよー!

「考え事してて、気付かなかったってばよ。ごめんな、ヒナタも食いたかったよな?もう一回並んで買うか?」

「ううん。私はお腹空いてないから……。ありがとう、ナルト君。」

「俺、全部食っちまったのに、なんで『ありがとう』なんだってばよ?」

「だって、私の心配してくれたもの。」

そう言って微笑むヒナタ。
あー、この笑顔が良いんだってばよ!

見惚れていたら、ヒナタに気付かれて目を逸らされた。

……はぁ。

やっぱ、俺ってば脈無しかよ……。

こんなに避けられると、正直辛い。

今日は、俺から逃げねぇみてぇだけど、ヒナタにしたら拷問だよなぁ。

「なぁ、ヒナタ。」

「な、何?」

「お前さ、俺と居るのキツいんだろ?いのから聞いて、お前が無理やり同盟に入れられたのは知ってるってばよ。そんなの、無理する必要ねぇからさ、帰ろうぜ。」

ヒナタの顔が一瞬で曇る。

そんな顔、させたくねぇのに。だから、帰ろうって言ったのに……。

「そんな顔するんじゃねぇよ。ほら、帰ろうぜ!」

振り返って歩き出そうとした瞬間、決して強くはない、何かの力に引っ張られた。

ん?と振り向くと、俺のコートの裾を指で摘まんで、顔を真っ赤にしながら俯くヒナタが居た。

「……たい。」

「ん?何?聞こえねぇってばよ。」

「な、ナルト君が、……い、イヤじゃなければ、……一緒に……居たいの。」




……………………!?

んなーーーーーーーーーっ!!!!!

ななな、何っつう事だってばよーーーっ!
き、聞き間違いじゃねぇよな!?

ヒナタの言葉を脳内再生しながら、その意味に間違いはないか、確かめる。

だ、大丈夫……だってばよ。

間違いなく、俺と居たいってヒナタが言った!!!

「……くん。ナルト君?」

はっ!
今、俺固まってたってば!!

「お、おぅ。なな、なんだってばよ?」

「……あ、あの……その……」

「ひ、ヒナタ。さっきさ、……俺と居たいって、言ったのかってば?」

震えながら、コクンと頷くヒナタ。

「い、イヤじゃねぇ。イヤな訳がねぇ。イヤなんて言うはずがねぇ!こっちからお願いしたいくらいだってばよ!!」

ヒナタが、驚いた顔をして俺を見上げる。

俺、驚かせるような事、言ってねぇ……よな?

「行こうぜ、ヒナタ!何乗りたい?」

「あ、あのね……絶叫系以外なら何でも。……で、でも!ナルト君が乗りたいなら私、頑張るから。」

「バッカ、ヒナタ。遊園地で頑張る必要ねぇってば。楽しもうぜ。折角ヒナタが一緒なんだから、普段乗れねぇ可愛い系もいっとくかってばよ。」

「ごめんね。ナルト君。ありがとう。」



__________




「あー、結構乗ったよなー。」

「うん、そうだね。」

「ここのアトラクション、変な名前ばっかなのな。なんだっけ、あのグルグル回るやつ。」

「フフフッ、ナルト君がハンドル回しすぎたのだよね?……えっと、『マタタビのティーカップパーティー』だって。」

「そうそう。あと、『マタタビアドベンチャー』に、『マタタビハント』、『マタタビ・THE・ライド』って、どんだけマタタビ好きなんだってばよ。」

「この遊園地、猫がイメージキャラクターだからなんだろうけど……。」

「だな。こうなったらマタタビ制覇してやろうじゃねぇの!ヒナタ、次のマタタビアトラクションは何だってばよ!?」

「待ってね。……んー、あっ!次で最後だよ。『千年マタタビ 呪いの館』だって。お化け屋敷なのかな?」



……………!!!

や、やべぇ……。やっちまった。俺ってば、お化けとかの類は苦手だってばよ……。

ど、どうする?
一度言ったことを撤回出来ねぇし。……そ、そうだ!ヒナタが怖いのを無理する必要ねぇって言って回避するのが一番だってばよ。

「ひ、ヒナタ。そういうの苦手じゃねぇか?マタタビ制覇は諦めて、何か他のねぇかってばよ。」

「ナルト君。私、お化け屋敷はそこまで苦手ではないよ。……ナルト君、苦手なの?」

「ばば、バカ言ってんじゃねぇってばよ!!平気だっつーの!行ってやろうじゃねーの!!!」

クッ!

や、やっちまった。
自分で自分の首を更に絞めることになるなんてな。

こうなりゃ、自棄だ!乗り物乗って目を瞑ってバレねぇように遣り過ごすってばよ!

ヒナタの手を取り、ギュッと握ると『千年マタタビ 呪いの館』へと向かった。



館に着いて、自分の目算の甘さに気付く。

さっきの作戦は、ここでは通じねぇ。

ここのお化け屋敷は、歩くタイプだってばよぉ!!!

薄暗いアトラクション内に入る。

「ひ、ヒナタ。はぐれるといけねぇから、手ぇ放すんじゃねぇぞ。」

通路が狭いので、自然と密着する状態になる。

すげぇ美味しいシチュエーションなのに、心の余裕が全くねぇ。



「ニャー」

「うぉっ!!」

「だ、大丈夫だよ。ナルト君。」

「あ、あぁ。すす、すまねぇ。」



「ニャー」

「ぎゃーーーっ!!!」

ギュッ。

「なな、ナルト君!も、もう行ったよ。」

「お、おぉ。わ、悪ぃ。……って、うわっ!」

驚き過ぎた俺は、無意識にヒナタに抱きついていることに気付き、慌てて体を離す。

「ごめん、ヒナタ!」

「あ、あの……お、驚いたけど、……大丈夫だから……。」

……………。


「な、ナルト君!」

「ななな、何?」

「とりあえず、ここから出よう。」

ニコッと微笑むヒナタに、つい見惚れてしまう。

ヒナタから差し出された手を取ると、躊躇いがちにキュッと握られた。



ヒナタに連れられ、呪いの館から出る事が出来た。


近くのベンチに二人で座る。

完全にやっちまった。

俺ってば、格好悪ぃ。

「ナルト君、大丈夫?」

「……あぁ、すまねぇ。……ヒナタに守ってもらうとか、情けねぇな、俺。」

下を向いたまま応える。

「情けなくないよ。それに、ナルト君は『手を放すな』って言ってくれた。苦手な場所なのに、凄いなって思うの。ありがとう、ナルト君。」

「……ヒナタ、わかってねぇってば……。あれは、俺自身の怖さをどうにかしようとして……。」
そっと、ヒナタが俺の手に手を重ねる。
ビクッとしてヒナタを見ると、優しく包みこむような笑みを浮かべて、俺を見ていた。

「その想いも、全て含めて、私はナルト君を強い人だと思うの。」

「俺が……強い?」

「うん。自分の弱さと向き合って、落ち込んでも、また前を向いて歩ける。……私は、そんなナルト君を、ずっと見てきたの。」

「……ヒナタ。」

「ナルト君は、私の憧れで……。あ、あのね、私、ナルト君に言いたい事があって……。」

滑らかに喋っていたのに、急に吃りだすヒナタ。どうしたんだってば?

「……何?」

「ナルト君!わ、私ね……今日……し、信じられない程、幸せなの……。」

「…………?」

「な、ナルト君と、二人きりで居られて、……どさくさ紛れだけど、……な、ナルト君と手を繋げて、……だだだ、抱きしめられて……。」

「……………!?」

「……あ、う、嬉しかったから……。」

「………………!!!」

「……あ、あの、あのね!……わ、私、」

「ま、待てってば、ヒナタ!俺、お前に言いたい事が!!!」

「ナルト君の事が、大好きなの。」



ヒナタの肩に手を伸ばし引き寄せると、そのまま俺の肩に頭をもたれかけさせ、柔らかでサラサラの髪を撫でる。

「な、ナルト君!?」

「ヒナタ、待てって言ったってばよ。」

「……あの、……ご、ごめんなさい。止めたら言えなくなっちゃうかなって……。ちゃんと言いたかったから……。」

「俺から言いたかったんだけどな……。」

「あ、あの、……ナルト君は何を言いたかったのかなって……。」

「んー?ヒナタわかんねぇの?」

「う、うん。」

「内緒。」

「ふえぇっ!な、ナルト君!ごめんなさい。」

「待ってくれなかったお仕置きだってばよ。」

おろおろするヒナタの頭をよしよしと撫で、ニシシッと笑う。

「ヒナタ。」

「な、何?」

「頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」

「う、うん。私で出来る事なら……。」

「よっし、行こうぜ。」

立ち上がり、ヒナタに手を差し出すと、オズオズ伸ばされるヒナタの手。それを掴み、ギュッと手を握る。

手を繋いで向かったのは、ワゴンの簡易ショップ。

「んー……どれにすっかなぁ……。あっ、これが良いってばよ!」

猫耳のついた薄紫色のニット帽を選び、ヒナタの頭にポンッと被せる。

「おぉっ!似合うな、ヒナタ。可愛いってば!」

「えっ!?あっ、あの……。」

「それ、買ってやるから、今から被っててくれねぇか?俺の中の猫のイメージを、呪いの館から猫ヒナタに変えてぇんだってばよ。」

「あっ、でも、買うなら私が……。」

「俺の頼みで被ってもらうんだから、俺が買うんだってばよ。」

「えっ、そ、そうなの?……あ、あの、ナルト君。わ、私からもお願いしていい?」

「何だってば?」

「一人で被るの……は、恥ずかしいから……私も、ナルト君にプレゼントさせて。……い、一緒に被ってほしいの。」

「一緒に被るのはお安いご用だってばよ。でも、俺が買う。」

「えっ、ど、どうして?私がお願いしたのに……。」

「あのな、ヒナタ。今日さ、お前にしたら無理やり俺と居たのかもしんねぇけど、俺はデートだと思ってんだ。だから、俺が払うんだってばよ。」

「でで、デート!!?」

「おぅ!だからさ、ヒナタが俺の選んでくれってばよ。」

「あ……、う……、は、はい……。」

ヒナタが選んだのは、オレンジと黒の虎模様で、ヒナタとお揃いの色違い。

二人で被って、手を繋いで歩きだす。

辺りは暗くなり始め、少し早いクリスマスの装飾がキラキラと光り、幻想的な世界へと変わる。

ロマンチックっつうの?

大好きなヒナタが居て、そのヒナタから告白されて、お揃いの帽子で、手を繋いで……。

夢じゃねぇよな?

「なぁ、ヒナタ。」

「な、何……かな?」

「今日、俺さ、信じらんねぇ程幸せなんだってば。」

「そ、そうなんだ……。」

「横にヒナタが居てくれて、優しくて、可愛くてさ……」

「……………!?」

「ホントは、俺が先に言いたかったんだぜ。」

「…………?」

「俺は、ヒナタが大好きだってばよ。」

「…………………!!!」

『ピシッ!』



「あれ?おーい、ヒナター?」

その場に固まったヒナタの目の前で、おーいと手を振る。

「ヒナター。起きないとチューしちまうってばよー。」

『はっ!』

「あ、あの、ナルト君。」

「ニシシッ、起きたか?」

「こ、これは……夢……なの?」

「お目覚めのチューが必要かってば?お姫様。」

慌ててブンブンと首を横に振るヒナタ。

「……そこまで否定されると、傷付くってばよ。」

「あっ!ち、違うの、ナルト君!イヤじゃないの。初めてだし……こ、心の準備がしたいの。あ、あと……ここでは、恥ずかしいなって……。」

「オッケー、ヒナタ!クリスマスまでに心の準備しておいてくれってばよ。」

「ふぇっ!?」

「あーっ、早くクリスマスになんねぇかなぁ……。」

「あの、な、ナルト君。」

「ダメ?」

「だ、ダメじゃ……ない、です。」


遠くで、クリスマス限定のパレードの音がする。

俺達の居るところは、そのルートから外れてるみたいで、人通りも疎らだ。

プルプル震えているヒナタを抱き寄せ、耳元で囁く。

「ヒナタ、大好きだ。」

「……ナルト君……わ、私も、大好きです。」

遠慮がちに背中へと回されるヒナタの手。

あー、良い匂い。柔けぇなー。

いやいや、変なこと考えるな、俺!
悟りだ!悟りを開くんだってばよーっ!!

「ナルト君、……暖かいね。」

上目遣いに俺を見るヒナタの目は少し潤んでて、頬はほんのり赤く、抱きしめ合った事で直に感じる胸の膨らみは、上目遣いに顔を上げられた事で、その形まで認識させられる。

こう、なんだ?今、俺にくっついてて、……むにゅ?もにっ?……もにゅっ!としてる。

「えっ、もにゅっ?」

「……俺ってば、声に出してたのか!?」

「う、うん。」

「……ヒナタ、愛してる。」

「……な、ナルト君、……誤魔化したの、かな?」

ヒナタの肩を掴み、バッと引き離す。

「わ、悪ぃ。ヒナタの色気が半端ねぇってばよ。抱き合ってたら押し倒しちまう。」

「そ、そんな。わ、私に色気なんて……。」

「ねぇとは言わせねぇ。もっと自覚しねぇと危険だってばよ!」

「わ、私は、ナルト君の方が、凄く色気があると思うの。」

「俺に色気!?んーなもん、ねぇってばよ。」

「そんなことないよ!耳元で囁く声の低さとか、……だだ、抱きしめられたときの……力強さとか……ナルト君の匂いとか。……安心するんだけど、凄くドキドキするの。」

「……な、なんか照れるな。ヒナタでもそういうの感じるんだな。」

「う、うん。……嫌いになった?」

「バッカ、なるかよ!寧ろ、大歓迎だってばよ!」

「……そ、そうなんだ。」

顔が真っ赤になったヒナタは、視線を合わせるのを避けるように、俯いた。

「……なぁ、ヒナタ。俺を見て……。」

躊躇いながら、上げられる顔。

すかさず、ヒナタの口の端にかかるかかからないか位の場所に、軽く口づけた。

「……………………!!!!!」

「本当は、唇にしたいんだぜ。でも、約束だし、とっとくってばよ。」

「ななな、ナルト君!」

「もうこんな時間か……。もっとヒナタとくっついて居てぇけど、そろそろ帰らねぇとな。」

「……あ、……うん。……そうだね。」

「ヒナタの家まで送るってばよ。行こうぜ。」

「……い。」

「ん?何だってば?」

掠れて聞き取り辛い声を聞くため、少し屈んで口元に耳を近づけると、プルンとしていて、少し熱っぽい何かが、一瞬頬に触れた。

「ナルト君だけ、……ズルい。」

「ヒナタ……い、今、……何が?」

「な、内緒……です。」

「ひ、ヒナタ!今、俺にキ……」

「帰ろう、ナルト君。」

「ヒナタ、誤魔化すなってばよー!」

ヒナタから差し出された手をとり、繋ぐと、嬉しそうに微笑むヒナタが居る。

充分幸せなのに、俺しか知らないヒナタがもっと欲しい。

俺、クリスマスまで待てるかなぁ?

横を歩く可愛い彼女は、きっと俺のそんな気持ちお構い無しに、天然で攻めてくるんだろうな。

はぁ………。

同盟を結成した日の昼休みとは違う、嬉しさいっぱいの新たな悩みに、こっそりため息をついた。





ー同時刻 ナルト達から少し離れた場所ー



「「…………。」」



「サクラ、帰るぞ。……胸焼けがする。」

「サスケ君……、私も軽く限界突破しまくってるわ。」

人の気も知らず、イチャイチャイチャイチャ……羨ましい!!!

なんなのよ!手を繋いだり、よしよしナデナデとか、抱き合ったり、チューチューしたり、浮かれ猫耳だったり!!!

しやーんなろー!!!!!


……まっ、どさくさに紛れて、一日中サスケ君と過ごせたから、良しとするか。


「置いてくぞ、サクラ。」

「あっ、待って。サスケくーん。」









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