5. ほのぼのとしたその感じ(るなた様)



「ナァトくん、だっと!」

そう言い、ナルトの目の前で両手を伸ばすのは、二歳になったナルトの娘、うずまきカグヤだ。

カグヤは、母が父を呼ぶときの真似をして、父の事を『ナァトくん』と呼んでいる。小さいので舌足らずな話し方はご愛嬌。

「フフッ、カグヤは本当にお父さんの事が大好きね。」

微笑みながら言うヒナタ。
ナルトと結婚してから、7年の年月が経っていた。

「おいでカグヤ。ほれっ、たかいたかいだってばよぉ。」

キャッキャッと大きな目を細めて笑うカグヤ。

その容姿はヒナタの幼い頃にそっくりで、両眼とも白眼。

いつもの朝の風景。

はしゃぐカグヤの声に起こされ、二階から眠い眼を擦りながら降りてきたのは、二人の五歳になる息子のうずまきハヤト。
左目は白眼、右目が父親譲りの綺麗な蒼色。
片目だけ瞳術というのは、もう片方に負担がかかるらしく、カカシのように白眼側は使うとき以外隠している。
それ以外は、幼い頃のナルトそっくりだ。

「おはよー。」

うずまき家が揃ったところで、朝食をとり始める。

「父ちゃん!今日さ今日さ、らせんがん教えてくれんだろ!」

「あぁ、約束したもんな!でも父ちゃん、執務があるから終わってからな。」

ハヤトの頭を優しく撫でるナルト。

現在、長年の夢であった火影となった彼は、多忙を極めていた。
だが、どんなに忙しくても必ず家族との約束を守り、その時間を大切にすることを忘れない。

「わかった!そんじゃあさ、お母さんと『てんおに』して待ってる!」

「ん!?ハヤト、てんおにってなんだってば?」

「あのね、ナルト君。私もこの前ハヤトに教えてもらったんだけど、日向の家に遊びに行ったとき、ネジ兄さんが遊んでくれたの。その時以来、ブームになったみたいで、……点穴鬼ごっこなんだって。」

「……なんか、聞いただけで痛そうな遊びだってばよ……。」

「うん。でも、ハヤト相手に点穴突けないから、捕まったら罰ゲームらしくて……ネジ兄さんの子ども相手限定の、八卦六十四コチョコチョなんだって。」

「……それ、ぜってー喰らいたくねぇってば……。
なぁハヤト。母ちゃんはお腹に赤ちゃんがいるから、他の事して待ってるってばよ。」

「ナルト君、もう安定期に入ったから、激しい動きでなければ大丈夫だよ。」

「いいや、ヒナタ。お前ハヤトの時の事、忘れた訳じゃねぇよな。もう、無理はさせらんねぇってばよ。」

「あの時は初めての事で、お腹が張るとかよくわからなかったから。今は、大丈夫かどうかわかるよ。」

「そうなのかってば。……んー、でもヒナタはすぐ無理すっからなぁ。……そうだ!父ちゃんが帰ってくるまで、三人で日向のじぃちゃんのとこに行けばいいってばよ!ヒナタも散歩で運動になるし、ハヤトはネジおじちゃんと点鬼できるし、カグヤもじぃちゃんやハナビ姉ちゃんと遊べて一石三鳥だってばよ!」

「カァヤは、ナァトくんとあそぶ!」

「いや、だからなカグヤ。父ちゃんはお仕事なんだってば。」

「ナァトくんとあそぶの!!!」

「うーん、困ったってば……」

うえぇとカグヤが泣き出す。あわわっと慌てるナルト。すかさずヒナタがカグヤを抱っこして、背中をポンポンとしながら優しく語りかける。

「カグヤはお父さんが大好きなんだね。だから、一緒に遊びたかったのね。それが出来なくて悲しかったのね。……お母さん、カグヤの気持ちわかるよ。お母さんもナルト君が大好きだもの。……だから、一緒に待ってよう?」

自分だけ悲しいんじゃない。と理解したのか、カグヤは泣き止み、「……おじいちゃんと、ハァちゃんとあそぶ。」と納得した。

「すげぇな、ヒナタ!」

「うん。……何となく、気持ちわかるかなって。ハヤトも、日向のおじいちゃんの家で点鬼でいいかな?」

「うん!でも今日はじゅーけんにする!ネジおじちゃん強いから稽古してもらうんだ。
オレはしゅぎょーして強くなって、父ちゃんを越える火影になるんだ!」

「そっか、ハヤト!父ちゃんも負けねぇように頑張らねぇとだな!」

親子は、腕をガッと絡み合わせ、ニッと笑い合う。



食事を終え、子ども達はオモチャで遊びだす。

食卓の食器をナルトが片付け、ヒナタが洗う。

目が合い微笑むと、どちらからともなく軽いキスを交わした。

「あー!父ちゃんとお母さん、またチューしてる!」

「カァヤも!ナァトくんとおたぁさんとチューする!」

走り寄る子ども達を抱き締め、二人の頬にチュッと口付ける。

「あっ!」

「どうした?ヒナタ。」

「今、お腹の赤ちゃんが動いたの。」

「ハハッ、お前もチューしてほしいのかってばよ。ハヤト、カグヤ、お腹の赤ちゃんにもチューだ。」

三人がヒナタのお腹にキスをする。

幸せいっぱいのうずまき家。

ナルトにもヒナタにも、昔は想像もできなかったであろう穏やかで愛に溢れた日常。

(火影になっても、それで終わりじゃねぇ。……この大切な家族を守るため、里の人達の沢山の日常を守るため、俺はまだまだ頑張らねぇと!)

決意を新たに前を向き、グッと拳を握るナルトに、優しく微笑み、その拳を暖かい両手で包み込むヒナタ。

つい一人で頑張ろうとするナルトを、一人じゃないよ。と、常に伝えるかけがえのない存在。

顔を見合せ、微笑み合う。

そんな幸せいっぱいの空気を壊したのは、意外にもカグヤだった。

「ナァトくん!カァヤね、けっこんしてっていわれたの。」

「なななな、なんだって!?どこのどいつだ!」

「うちはくんと、ならくんと、ネジおじちゃん。」

「なーーーーーっ!!!だだだダメだってば、カグヤ。お前は俺とずーーーーーっと一緒にいるんだってばよぉ!」

慌てるナルトをニコニコ見つめるヒナタ。
横にいるハヤトを抱き締め、二人で笑い合う。

「カァヤ、ごめんねしたよ。カァヤはナァトくんとけっこんするの」

「カグヤーーーッ!」

小さなカグヤを抱き締め号泣するナルト。

「でもね、カァヤ……うわきしたの。あのね……うちはくんに、ほっぺにチューされたの。ナァトくん、ごめんね。」

「なんだってーーーーーっっっ!!!!!
……サスケェェェェェ。俺のファーストキスだけで飽きたらず、カグヤの純情までも奪いやがってぇぇぇぇぇ……」

「ナルト君、奪ったのはサスケ君じゃないよ。」

「いーや、ガキのしたことは親の責任だってばよ!!!!サスケェ!!!!!
首洗って待っときやがれ!!!!!!」

そう言うと家を飛び出すナルト。ヒナタとハヤトはまたかと苦笑いし、カグヤはバイバーイと手を降る。

そんなナルトが、出迎えたサクラの鉄拳をくらうまであと1分……。





おぉぉおぉぉっ
すっごい!
お題消化してるーーーっ><

私はまだかけていません……っていうか、何を書こうかすら、思い浮かんでいません
超マズイです……(滝汗)

うはぁ
すっごいなぁ……うわぁ……
感動してぷるぷる打ち震えております><

本当に素敵な作品をありがとうございますっ!!

個人的にツボったのは

『八卦六十四コチョコチョ』

いや、ネジ兄さん、すっげーマジメな顔してやってくれたら、ソレは凄いってばよ!
子供の相手を全力でしているネジ兄さん。
素敵ですねっ☆

ああ、もう、こんな素敵なお話いただいてよいのでしょうかっ><
家宝にいたしますねっ!!

各話ごとにこう……感想をと思っていたのですが、時間が……(滝汗)
明日にでも、ちょこちょこ書いていると思いますので
本日はとりあえず、ご勘弁を……orz

いい夫婦の日に、素敵夫婦話を沢山ありがとうございましたっ!!
わ、私も……日付変わってでも何かupするように頑張ります><


ゆらら







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