優しさ


   






女子「砂月に近寄らないで!!!!」

女子「うざいんだよ!!!彼女面すんな!!!」

女子「砂月はアンタなんか相手にしないんだから!!!」




可恋「はは……………これで今日3回目……」

   砂月と付き合い始めてしばらく経った頃。

   知らない女子からいきなり暴言を吐かれるようになった。

   砂月はただでさえモテるから、内緒にしてたのに。

   どうしてバレたんだろう。

   毎日毎日考えてた。

   砂月はこのことを知らない。

   誰かに、相談したい思いもあった。

   だけど、砂月に相談したら迷惑をかける。
 
   いつもいつも頼ってばっかりだから、自分でなんとかしなきゃ。

可恋「でも…もう、限界、かなっ…………………」

   その場にへなへなと座り込んだ。

   気はもとから強い方。

   メンタルも強い方。

   大丈夫、大丈夫と思っていたけど…やっぱり心がダメだったみたい。

可恋「っ………っく…………うぇっ…………」

   声を押し殺して涙を流す。

   きっと、ほかの人が見たら無様な姿なんだろうな。

  「…何、泣いてんだよ」

   冷たいけれど、温かみのある声が頭上に響いた。



   そして、私はその声の主に抱きしめられたんだ――………。

可恋「さ、つき……砂月……砂月ぃっ………!!」

   声と香りで分かる。

   砂月だ。

   愛しい人だ―。

   私は嗚咽を上げながら何度も呼んだ。

砂月「…お前、何でこんなになるまで相談しなかったんだよ。

   俺、ずっと待ってたんだぞ?」

   いつになく優しい口調。

   きっと、砂月は知ってたんだね。

   こんなことされていた私を――………。

可恋「言ったらっ、さ、つきに迷惑がかかっちゃう、からぁっ…」

砂月「…お前はとんだ馬鹿野郎だな。

   そんなん気にしずに相談すればいいんだよ。

   俺は、お前の彼氏だろ?」

可恋「うん、うんっ…さつき……ごめ、なさっ」

砂月「謝るな。可恋は悪くねぇ」

   軽く額にキスをする砂月。

   …こんなときだけ、優しすぎるよ…馬鹿……。

砂月「これからは俺を頼れよ?後は俺に任せとけ」

可恋「あり、がとう……っ大好きっ……」

砂月「あぁ、俺もだ………」

   

    『愛してる』

   滅多に言わない言葉に驚きながらも、嬉しさを表情に出した。

   不思議と、涙は泣き止んでいた。

砂月「…おし、泣き止んだな?」

可恋「…うん」

砂月「じゃ、教室戻るぞ」

可恋「うん」

   手を繋ぎ、私と砂月は校舎に入っていった。




















おまけ

砂月「多分もうお前に悪さはしてこねぇと思うぜ」

可恋「あ、ありがとー。…ちなみに、手は出してないよね?」

砂月「お前以外に犯す奴なんていねーよ」

可恋「そっちじゃなくてっ!暴力とか…ふるってないよね?」

砂月「あぁ。暴力はふるってねーよ」

可恋「よかった……………」





実際は。





砂月「これ以上俺の女に変なことしたらどうなるか分かってるよな…?」

女子「ひっ……すみませんでしたぁ!!!!!」


   黒い微笑みと目力で1発でした。






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何かギャグっぽくなっちゃった…。





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