見せる悪夢が見る悪夢(前編)
注意書き
※ケイアキ前提のアキケイです。ケイアキ、黒ケイ要素が多分に含まれます。
※中編は黒ケイ、後編はアキケイのR18程度の性描写が含まれます。
1
「……よし!これで全部かな」
ケイスケは自分の作業を終わらせていた。
同じく作業を終わらせていたアキラに、そっと近づいて脅かそうとした。
アキラの驚いた時の反応が、可愛くて仕方がない。本気で怒られてしまうから、たまにしかやらないが。
それにケイスケはどんな形でも、本当はいつだって、アキラに触れたいのだ。
愛しい人に近付こうとした、その時だった。
アキラは部品を踏んづけて、バランスを崩してしまったようだ。
工場の床には一つや二つではなく、いろいろなものが落ちているものだ。
「危ないっ!!」
きっと大惨事になると思うより前に、反射的にケイスケは腕を伸ばした。
ケイスケの腕は、アキラの体を受け止めていた。
「大丈夫?怪我はない?」
「ああ」
「よかった……」
ほどよくついた筋肉。どこか硬さを帯びている輪郭。だがその肌は白い。
ずっと昔からアキラは、何よりも美しい。
少し変わったことといえば、あまり表情を浮かべていなかったその顔から、優しさが表に出るようになったことだ。
>>NEXT
prev / next